サーバーのオペレーティング システムまたはサーバー全体を回復するには、Windows 回復環境と、以前に Windows Server バックアップを使用して作成したバックアップを使用します。
Windows 回復環境の回復ツールやトラブルシューティング ツールを使用するには、Windows のインストール ウィザードの [システム回復オプション] ダイアログ ボックスを利用します。Windows Server 2008 R2 でこのウィザードを起動するには、Windows セットアップ ディスクを使用するか、コンピューターを起動または再起動して F8 キーを押し、起動オプションの一覧から [コンピューターを修復する] を選択します。
また、サーバーが起動できなかった場合に、Windows 回復環境にフェールオーバーするように構成することもできます (手順の詳細については、
オペレーティング システムを回復するには、ベア メタル回復を実行し、重要なボリュームのデータだけが回復されるようにオプションを選択する必要があります。
オペレーティング システムまたはサーバー全体を回復する際には、次の情報を指定する必要があります。
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使用するバックアップ
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オペレーティング システムのみを回復するか、サーバー全体を回復するか
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ディスクの再フォーマットおよび再パーティションを行うかどうか
重要 | |
サーバー全体を回復する場合、すべてのディスクの再フォーマットと再パーティションを選択すると、既存のデータは削除されます。この削除では、サーバーで現在使用されているが、バックアップには含まれていなかったすべてのボリュームが対象となります。このオプションは、Windows セットアップ ディスクを使用せずに F8 キーを押して Windows 回復環境にアクセスした場合には、使用できません。 |
オペレーティング システムまたはサーバー全体を回復するには、最初に次の操作を行います。
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新しいハード ディスクに回復する場合は、ボリュームのサイズに関係なく、バックアップされたボリュームを含むディスク以上の容量が新しいディスクにあることを確認してください。たとえば、バックアップ時に、1 TB のディスクに 100 GB のボリュームが 1 つだけ含まれていた場合でも、復元時には 1 TB 以上のディスクを使用する必要があります。
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オペレーティング システムだけを回復する場合は、少なくともサーバーの重要なボリュームが含まれているバックアップが使用できることを確認します。サーバー全体を回復する場合は、サーバーのすべてのボリュームが含まれているバックアップが使用できることを確認します。ベア メタル回復を実行するには、ベア メタル回復 (またはサーバー全体の回復) が可能なバックアップがあることを確認してください。バックアップの作成方法の詳細については、「手動バックアップを実行する」および「自動バックアップを構成する」を参照してください。
重要 | |
バックアップの保存先で BitLocker ドライブ暗号化を使用している場合は、保存先がロック解除されていることを確認してください。ただし、この手順で説明するようなボリューム レベルの回復では、回復先の場所をロック解除する必要はありません。手順の詳細については、Windows BitLocker ドライブ暗号化手順ガイドに関するページ (英語の可能性あり) ( |
以前に作成したバックアップおよび Windows セットアップ ディスクを使用して、オペレーティング システムまたはサーバー全体を回復するには |
回復しようとしているシステムと同じ構造の Windows セットアップ ディスクを CD ドライブまたは DVD ドライブに挿入し、コンピューターを起動または再起動します。必要に応じて、ディスクから起動するために必要なキーを押します。Windows のインストール ウィザードが表示されます。
[Windows のインストール] で言語設定を指定し、[次へ] をクリックします。
[コンピューターの修復] をクリックします。
ハード ディスク ドライブに既にインストールされている Windows が検索され、その結果が [システム回復オプション] に表示されます。オペレーティング システムを別のハードウェアに回復する場合には、オペレーティング システムがコンピューターに存在しないため、この一覧は空になります。[次へ] をクリックします。
[システム回復オプション] ページで、[システム イメージの回復] をクリックします。[コンピューター イメージの再適用] ページが開きます。
次のいずれかの操作を行い、[次へ] をクリックします。
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[利用可能なシステム イメージのうち最新のものを使用する (推奨)] をクリックします。
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[特定のバックアップを復元する] をクリックし、次のいずれかの操作を行います。
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[システム イメージの場所を指定してください] で、使用するバックアップを含むコンピューターをクリックし、[次へ] をクリックします。
次に、[復元するシステム イメージの日時を選択してください] ページで、使用するバックアップをクリックして、[次へ] をクリックします。重要 該当する記憶域の場所に複数のコンピューターのバックアップが含まれている場合は、必ず、使用するコンピューターのバックアップの行をクリックしてください。
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[詳細設定] をクリックして、ネットワーク上のリモート共有フォルダーにあるバックアップを参照してバックアップへの UNC (汎用名前付け規則) パスを指定するか、バックアップがデバイス上にある場合はデバイス ドライバーをインストールします。ドライブをインストールするには、ローカル システムにドライバーが含まれている必要があります。ネットワークからドライバーをインストールすることはできません。代わりに、.inf ファイルへのローカル パスを指定してドライバーをインストールしてください。[次へ] をクリックします。
重要 - ドメインを使用している環境で、そのドメインのメンバーのコンピューターがバックアップの保存先になっている場合、そのコンピューターは、ドメイン外のコンピューターからもアクセスできるように IPsec 境界に置く必要があります。Windows 回復環境で起動したコンピューターは、ドメイン コンピューターではなくなるため、通常のネットワーク共有にはアクセスできません。このような場合にバックアップの保存先として使用できるのは、ドメイン外のコンピューターからのネットワーク共有へのアクセスを許可するコンピューターだけです。
- バックアップの保存先のコンピューターをワークグループに追加し、共有フォルダーにバックアップを置くことで、この問題に対処することもできます。Windows 回復環境を実行するコンピューターは、ワークグループ内にあるコンピューターと同じように動作するので、バックアップの保存先の共有フォルダーにアクセスできるようになります。
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[システム イメージの場所を指定してください] で、使用するバックアップを含むコンピューターをクリックし、[次へ] をクリックします。
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[利用可能なシステム イメージのうち最新のものを使用する (推奨)] をクリックします。
[他の復元方法を選択してください] ページで、次のオプションのタスクを実行して、[次へ] をクリックします。
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既存のパーティションを削除し、バックアップ先ディスクをバックアップと同じになるように再フォーマットするには、[ディスクをフォーマットしてパーティションに再分割する] チェック ボックスをオンにします。この操作により、[ディスクの除外] ボタンが有効になります。このボタンをクリックした後に、フォーマットとパーティションから除外するすべてのディスクのチェック ボックスをオンにします。使用するバックアップが含まれているディスクは自動的に除外されます。
注 - ディスクを除外しないと、ディスクがバックアップの一部であったり復元するボリュームを含んでいたとしても、ディスク上のデータが失われる可能性があります。
- BIOS ブート順の最初のディスクであるブート ディスクは除外しないでください。このディスクは、通常は "Disk 0" と表示されますが、Diskmgmt.msc と Diskpart.exe によって "Disk 1" や "Disk 2" のように別の名前が付けられる場合もあります。ブート ディスク (Disk 0) が除外されていると、BIOS Disk 1 に対する回復が試みられます。しかし、回復後にシステムは起動せず、Bootmgr がないというエラーを表示して起動が失敗します。BIOS は常に、ブート順の最初のディスクを使用して Bootmgr を検索します。このファイルが見つからないとコンピューターは起動しません。
- コンピューターに接続されたすべてのディスクが [ディスクの除外] に表示されない場合は、その記憶域デバイス用の関連ドライバーをインストールする必要があるか確認してください。
- ディスクを除外しないと、ディスクがバックアップの一部であったり復元するボリュームを含んでいたとしても、ディスク上のデータが失われる可能性があります。
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オペレーティング システムのみの回復を実行するには、[システム ドライブのみ復元する] チェック ボックスをオンにします。
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回復先となるハードウェア用のデバイス ドライバーをインストールするには、[ドライバーのインストール] をクリックします。
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回復後すぐにコンピューターを自動的に再起動してディスクのエラーを検査するかどうかを指定するには、[詳細設定] をクリックします。
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既存のパーティションを削除し、バックアップ先ディスクをバックアップと同じになるように再フォーマットするには、[ディスクをフォーマットしてパーティションに再分割する] チェック ボックスをオンにします。この操作により、[ディスクの除外] ボタンが有効になります。このボタンをクリックした後に、フォーマットとパーティションから除外するすべてのディスクのチェック ボックスをオンにします。使用するバックアップが含まれているディスクは自動的に除外されます。
回復の詳細を確認して、[完了] をクリックします。すべての重要なボリューム (オペレーティング システムを含むボリューム) が回復されると、回復は成功です。回復できないデータ ボリュームがある場合は、回復操作の最後で、回復できなかったボリューム (たとえば、仮想ハード ディスクおよびインターネット SCSI (iSCSI) ディスク上のボリューム) を示すメッセージが表示されます。
その他の考慮事項
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Windows Server バックアップでバックアップを作成するには、Backup Operators グループまたは Administrators グループのメンバーであるか、適切な権限が委任されている必要があります。オペレーティング システムの回復は、Windows 回復環境により、LocalSystem ユーザー アカウントを使用して実行されます。
- システムが起動できるように、ブート ドライバーは、有効にされるか回復されたオペレーティング システムにインストールされます。ただし、一部のハードウェア (ネットワーク アダプターなど) に依存する個々のアプリケーションで、システム回復後に問題が発生する可能性があります。
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Windows 回復環境は Windows Server 2008 のすべてのエディションで利用できます。ただし、使用する Windows 回復環境のインスタンスのプロセッサ アーキテクチャと、復元対象となるシステムのコンピューターが一致している必要があります。たとえば、x64 ベースのオペレーティング システム用の Windows 回復環境は、x64 ベースのコンピューターでのみ機能します。また、Windows Server 2008 の場合は、ハードウェアの製造元により Windows 回復環境がサーバーのパーティションにインストールされている可能性があります。インストールされていない場合にこのツールを使用するには、セットアップ ディスクが必要です。
Windows Server 2008 R2 の場合は、Server Core インストール オプションを除き、Windows 回復環境は既定でインストールされます。 -
この手順は、Wbadmin start sysrecovery コマンドを使用して実行することもできます。使用例と構文の詳細については、コマンド リファレンスのページ (英語の可能性あり) (
https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=143759 ) を参照してください。
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BitLocker ドライブ暗号化を使用してサーバーを保護していて、システム回復を実行する必要がある場合は、BitLocker ドライブ暗号化を再適用してください。この操作は自動的には実行されません。明示的に有効にする必要があります。手順の詳細については、Windows BitLocker ドライブ暗号化手順ガイドに関するページ (英語の可能性あり) (
https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=143722 ) を参照してください。
その他の参照情報
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サーバーを回復する
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回復ウィザード
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Wbadmin コマンドに関するページ (英語の可能性あり) (
https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=140216 )