DFS レプリケーションとは、限られた帯域幅のネットワーク上で、複数のサーバー間のフォルダーを同期するために使用する、効率的なマルチマスター レプリケーション エンジンです。DFS レプリケーションは、DFS 名前空間のレプリケーション エンジンとして、ファイル レプリケーション サービス (FRS) に代わるものです。さらに、Windows Server 2008 ドメイン機能レベルを使用するドメインでは、Active Directory ドメイン サービス (AD DS) SYSVOL フォルダーをレプリケートするためにも、ファイル レプリケーション サービス (FRS) に代わって使用されます。DFS レプリケーションを使用して SYSVOL をレプリケートする方法の詳細については、Microsoft の Web サイト (英語の可能性あり) (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=139749) を参照してください。

DFS レプリケーションは、RDC (Remote Differential Compression) と呼ばれる圧縮アルゴリズムを使用します。RDC はファイル内のデータに対する変更を検出し、DFS レプリケーションにより、ファイル全体ではなく、変更されたファイル ブロックのみをレプリケートします。

DFS レプリケーションを使用するには、レプリケーション グループを作成し、そのグループにレプリケート フォルダーを追加する必要があります。次の図に、レプリケーション グループ、レプリケート フォルダー、およびメンバーを示します。

DFS レプリケーション グループおよびフォルダー

この図に示すとおり、レプリケーション グループ は、1 つまたは複数のレプリケート フォルダーのレプリケーションに参加している一連のサーバー (メンバー と呼ばれます) で構成されます。レプリケート フォルダーとは、各メンバー間で常に同期がとられているフォルダーです。この図では、Projects と Proposals という 2 つのレプリケート フォルダーがあります。各レプリケート フォルダー内のデータが変更されるたびに、これらの変更内容は、接続を介してレプリケーション グループのメンバー間でレプリケートされます。すべてのメンバー間の接続によって、レプリケーション トポロジが形成されます。

1 つのレプリケーション グループに複数のレプリケート フォルダーを作成すると、そのレプリケーション グループのトポロジ、スケジュール、および帯域幅調整が各レプリケート フォルダーに適用されるため、レプリケート フォルダーの展開プロセスが簡略化されます。追加のレプリケート フォルダーを展開するには、Dfsradmin.exe を使用するか、またはウィザードの指示に従って、新しいレプリケート フォルダーのローカル パスとアクセス許可を定義します。

各レプリケート フォルダーには固有の設定 (ファイルとサブフォルダーのフィルターなど) も割り当てられているため、レプリケート フォルダーごとに異なるファイルとサブフォルダーをフィルターで除外できます。

各メンバー上に保管されているレプリケート フォルダーは、メンバー上の異なるボリュームに配置可能であり、レプリケート フォルダーは名前空間の一部や共有フォルダーである必要はありません。ただし、DFS の管理スナップインを使用すると、簡単にレプリケート フォルダーを共有し、必要に応じて既存の名前空間で公開できます。

DFS レプリケーションは、DFS の管理、DfsrAdmin および Dfsrdiag コマンド、または WMI を呼び出すスクリプトを使用して、管理することができます。

その他の参照情報


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