クライアント予約を使用すると、DHCP クライアント コンピューターが起動時に常に同じ IP アドレス リースを受信するよう指定することができます。予約されたクライアントからアクセス可能な DHCP サーバーが他にもある場合、それらの DHCP サーバーにも予約を追加します。こうすることにより、それらの DHCP サーバーも、予約されたクライアント用のクライアント IP アドレス予約に従うようになります。予約されたアドレスが使用可能なアドレス プールに含まれる場合、DHCP サーバーはクライアント予約に基づいて機能しますが、複数のサーバー上に同じクライアントの同じ予約があっても通常は問題ありません。

IP アドレスを新しいクライアントに予約する場合や、現在のアドレスとは違うアドレスを予約する場合は、そのアドレスが DHCP サーバーによって既にリースされていないことを確認する必要があります。スコープで IP アドレスを予約しても、そのアドレスを現在使用しているクライアントが、自動的にその使用を中止するわけではありません。

アドレスが既に使用中の場合、まずクライアントで DHCP 解放メッセージ (DHCPRELEASE) を発行し、そのアドレスを解放する必要があります。これを行うには、クライアント コンピューターのコマンド プロンプトで「ipconfig /release」と入力します。

同様に、DHCP サーバーで IP アドレスを予約しても、その予約の対象である新しいクライアントがすぐにそのアドレスを使用するようになるわけではありません。この場合も、まずクライアントで DHCP 要求メッセージ (DHCPREQUEST) を発行する必要があります。これを行うには、クライアント コンピューターのコマンド プロンプトで「ipconfig /renew」と入力します。

Windows 95 または Windows 98 を使用するクライアントの場合、Winipcfg.exe プログラムを使用して、DHCP で予約された IP アドレスの解放または更新を行うことができます。MS-DOS を使用するクライアント、および他のオペレーティング システムを使用する一部のクライアントでは、変更を有効にするためにコンピューターを再起動する必要があります。

これらの変更が有効になると、予約されたクライアントが DHCP サーバーでリースを更新するたびに、そのクライアント用に予約されている固定の IP アドレスがリースされるようになります。

予約されたクライアントに、専用の DHCP オプションを構成することができます。予約されたクライアントにオプションが構成されると、サーバー ベース、スコープ ベース、またはクラス ベースのオプション割り当てで配布されるすべての種類のオプション パラメーターが、それらのオプション値によって上書きされます。

スコープのアドレス範囲に含まれる IP アドレスを使用して予約を作成できます。これは、その IP アドレスが除外範囲に含まれている場合も同様です。この設計により、80/20 規則が実装されて、スコープ内のすべてのアドレス (一方のサーバーで 80%、他方で 20%) が除外される場合でも、予約は適切に機能します。

次の手順で、クライアント予約を追加できます。

この手順を実行するには、Domain Admins グループのメンバーシップ、またはそれと同等のメンバーシップが最低限必要です。

クライアント予約を追加するには
  1. DHCP を開きます。

  2. コンソール ツリーで、[予約] をクリックします。

  3. [操作] メニューの [新しい予約] をクリックします。

  4. [新しい予約] で、クライアント予約を完了するために必要な情報を入力します。

  5. クライアント予約をスコープに追加するには、[追加] をクリックします。

  6. 追加する他のクライアント予約に対して直前の 2 つの手順を繰り返した後、[閉じる] をクリックします。

その他の資料

関連情報を提供しているヘルプ トピックの一覧については、「DHCP サーバーの役割で推奨されるタスク」を参照してください。

DHCP に関する IT 専門家向けの最新の詳細情報については、Microsoft TechNet Web サイトにある Windows Server® 2008 のドキュメント (英語の可能性あり) を参照してください。


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