Windows® 7 および Windows Server® 2008 R2 を実行しているコンピューターでは、印刷の管理という Microsoft 管理コンソール (MMC) スナップインを使用して、ネットワーク上でプリンターを共有したり、プリント サーバーやネットワーク プリンターの管理タスクを一元化することができます。印刷の管理を使用すると、印刷キューを監視したり、印刷キューで印刷ジョブの処理が停止したときに通知を受け取ることができます。また、プリント サーバーを移行し、グループ ポリシーを使用してプリンター接続を展開することもできます。

プリント サーバーを管理するためのツール

Windows プリント サーバーを管理するために使用できるツールは主に 2 つあります。

  • サーバー マネージャー

  • 印刷の管理

Windows Server 2008 R2 では、サーバー マネージャーを使用して、印刷とドキュメント サービスのサーバーの役割および役割サービスをインストールできます。また、サーバー マネージャーには、印刷の管理スナップインのインスタンスも含まれています。これを使用して、ローカル サーバーを管理できます。

印刷の管理によって、ネットワーク上のプリンターとプリント サーバーの状態に関する現在の詳細情報が提供されます。印刷の管理を使用すると、プリンター接続をクライアント コンピューターのグループに一度にインストールしたり、印刷キューをリモートから監視したりすることができます。印刷の管理でフィルターを使用すると、エラー状態にあるプリンターの検出に役立ちます。また、プリンターまたはプリント サーバーで異常が起きたときに、電子メール通知を送信したり、スクリプトを実行したりすることもできます。Web ベースの管理インターフェイスを提供するプリンターについては、印刷の管理で、トナーや用紙の残量などのさらに詳しいデータを表示できます。

リモートのプリント サーバーを管理するには、Print Operators グループまたは Server Operators グループのメンバーであるか、リモート プリント サーバーのローカルの Administrators グループのメンバーであることが必要です。リモートのプリント サーバーの監視にはこれらのアクセス許可は必要ありませんが、一部の機能は無効になります。

プリント サーバーおよびネットワーク プリンター用のサービス

Windows Server 2008 R2 の印刷とドキュメント サービスの役割には、プリント サーバーとネットワーク プリンターを管理するための、次の 3 つの関連する役割サービスが含まれています。これらの役割サービスは、サーバー マネージャーの役割の追加ウィザードを使用して印刷サービスの役割をインストールしているときに追加できます。また、サーバー マネージャーの役割サービスの追加ウィザードを使用して、後でこれらのサービスをインストールすることもできます。

Windows 7 はクライアント用のオペレーティング システムであるため、役割サービスは用意されていません。代わりに、印刷の管理スナップインが用意されています。また、Windows 7 には、オプションの Windows 機能として LPD 印刷サービスも用意されています。LPD 印刷サービスは、コントロール パネルの [プログラムと機能] を使用してインストールできます。インターネット印刷機能または分散スキャン サーバーの役割サービスは、Windows 7 には用意されていません。

プリント サーバー

プリント サーバーは、印刷の管理スナップインをインストールする役割サービスです。印刷の管理は、複数のプリンターやプリント サーバーの管理、および他の Windows プリント サーバーを対象としたプリンターの移行に使用されます。プリンターを共有した後、[セキュリティが強化された Windows ファイアウォール] の [ファイルとプリンターの共有] の例外が有効になります。

LPD サービス

ライン プリンター デーモン (LPD) サービスによって、TCP/IP Print Server (LPDSVC) サービスがインストールされ、起動されます。これにより、UNIX ベースのコンピューターまたはライン プリンター リモート (LPR) サービスを使用しているその他のコンピューターから、このサーバーの共有プリンターに印刷できるようになります。また、[セキュリティが強化された Windows ファイアウォール] のポート 515 に対する受信の例外を作成できます。

このサービスに対して構成を行う必要はありません。ただし、印刷スプーラー サービスを停止または再起動すると、TCP/IP Print Server サービスも停止し、自動的には再起動されません。

LPD プロトコルを使用するプリンターまたはプリント サーバーに印刷するには、ネットワーク プリンターのインストール ウィザードと標準 TCP/IP プリンター ポートを使用できます。ただし、UNIX プリント サーバーに印刷するには、ライン プリンター リモート (LPR) ポート モニター機能をインストールする必要があります。そのためには、次の手順のいずれかを実行します。

  • コントロール パネルの [プログラムと機能] をクリックし、[Windows の機能の有効化または無効化] をクリックします。次に、[印刷とドキュメント サービス] を展開し、[LPR ポート モニター] チェック ボックスをオンにして、[OK] をクリックします。

  • サーバー マネージャーで、[機能の追加] をクリックし、[LPR ポート モニター] チェック ボックスをオンにして、[OK] をクリックします。

インターネット印刷

Windows Server 2008 R2 のインターネット印刷役割サービスでは、インターネット インフォメーション サービス (IIS) によってホストされる Web サイトを作成します。ユーザーは、この Web サイトを使用して次の操作を行うことができます。

  • サーバー上の印刷ジョブを管理する。

  • Web ブラウザーでインターネット印刷プロトコル (IPP) を使用して、このサーバー上の共有プリンターに接続して印刷する (ユーザーはインターネット印刷クライアントをインストールする必要があります)。

インターネット印刷で作成した Web サイトを使用してサーバーを管理するには、Web ブラウザーを開き、http://servername/printers に移動します。この servername は、プリント サーバーの UNC パスです。

インターネット印刷クライアントをインストールするには、次の手順のいずれかを実行します。

  • Windows 7 の場合: コントロール パネルの [プログラムと機能] をクリックし、[Windows の機能の有効化または無効化] をクリックします。次に、[印刷とドキュメント サービス] を展開し、[インターネット印刷クライアント] チェック ボックスをオンにして、[OK] をクリックします。

  • Windows Server 2008 R2 の場合: サーバー マネージャーで、[機能の追加] をクリックし、[インターネット印刷クライアント] チェック ボックスをオンにして、[OK] をクリックします。

その他の参照情報


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