LUN は、記憶域サブシステムの一部分への論理参照です。LUN には、サブシステム内のディスク、ディスクのセクション、ディスク アレイ全体、ディスク アレイのセクションを含めることができます。この論理参照は、SAN 内のサーバーに割り当てられると、サーバーが読み取りおよび書き込みできる物理ディスク ドライブとして機能します。LUN は、アクセスの割り当てや特権の管理を行う際に使用する論理 ID としての機能を持つので、LUN を使用することで、SAN 内における記憶域リソースの管理が簡素化されます。

LUN の種類

LUN の種類によって、LUN のパフォーマンスと信頼性の特徴が決まります。記憶域サブシステムでサポートされている LUN の種類を使用することができます。

LUN の種類 説明

シンプル

シンプル LUN は、1 つの物理ドライブまたは 1 つの物理ドライブの一部のみを使用します。これは、最も基本的な LUN の種類です。

スパン

スパン LUN は、複数の物理ドライブをまたぐシンプル LUN です。

ストライプ

ストライプ LUN は、複数の物理ドライブをまたいでデータを書き込みます。データは、ブロックに分割され、すべてのドライブに分散されます。ストライプはすべてのディスクに同じ速度でデータを書き込むため、I/O 要求をディスクに分散することにより、I/O のパフォーマンスが向上します。ストライプ LUN は、拡張したりミラー化することはできず、フォールト トレランスも提供しません。ストライプ LUN を含むディスクの 1 つに障害が発生すると、LUN 全体に障害が発生します。

I/O パフォーマンスの向上が求められる場合、この種類の LUN を選択してください。

ミラー化

ミラー化された LUN は、2 つの物理ドライブに LUN の同一コピーを作成することによってデータの冗長性を提供する、フォールト トレラントの LUN です。すべての読み取りおよび書き込み操作は、両方のドライブで同時に実行されます。物理ディスクの 1 つで障害が発生すると、そのディスクのデータは利用できなくなりますが、影響を受けていないディスクを使用することによって LUN を引き続き利用することができます。

フォールト トレランスが求められる場合、この種類の LUN を選択してください。

パリティ付きストライプ (RAID-5)

パリティ付きストライプ LUN は、データとパリティが 3 つ以上の物理ディスクに断続的にまたがっている、フォールト トレラントの LUN です。物理ディスクの一部で障害が発生した場合、その障害部分にあったデータが、残っているデータとパリティ情報から再作成されます。この種類の LUN は、ミラー化された LUN よりも優れた読み取りパフォーマンスを提供しますが、書き込みパフォーマンスはパリティの計算によって低下します。

フォールト トレランスが求められ、読み取りパフォーマンスの向上が望まれる場合、この種類の LUN を選択してください。

LUN 上のボリューム

サーバーに割り当てられた LUN は、そのサーバーにディスクとして示されます。ディスクには 1 つ以上のボリュームを作成することができます。ディスク上に作成されるボリュームのパフォーマンスと信頼性の特徴は、LUN の種類によって異なります。