既定では、適切なリモート デスクトップ サービス クライアント アクセス ライセンス (RDS CAL) が使用可能であれば、リモート デスクトップ ライセンス サーバーによって RDS CAL が発行されます。発行先としては、リモート デスクトップ セッション ホスト (RD セッション ホスト) サーバーに接続しようとしているクライアントに代わって RDS CAL を要求するすべての RD セッション ホスト サーバーが対象になります。

RDS CAL が発行される RD セッション ホスト サーバーを制御する

セキュリティ上の理由から、場合によっては、ライセンス サーバーから RDS CAL が提供される提供先の RD セッション ホスト サーバーを指定する必要があります。"ライセンス サーバー セキュリティ グループ" グループ ポリシー設定を使用すると、ライセンス サーバーから RDS CAL が発行される RD セッション ホスト サーバーを制御できます。

"ライセンス サーバー セキュリティ グループ" ポリシー設定を有効にし、このグループ ポリシー設定をリモート デスクトップ ライセンス サーバーに適用した場合、ライセンス サーバーが応答する RDS CAL の要求は、ライセンス サーバー上の Terminal Server Computers グループのメンバーとなっているコンピューター アカウントを持つ RD セッション ホスト サーバーからの要求のみになります。

Terminal Server Computers グループは、リモート デスクトップ ライセンス サービスがライセンス サーバーで初めて開始されたときに、ライセンス サーバー上でローカル グループとして作成されます。既定では、Terminal Server Computers グループは空です。"ライセンス サーバー セキュリティ グループ" ポリシー設定を無効にしたり、構成しなかった場合でも、Terminal Server Computers グループは削除されたり変更されたりしません。

"ライセンス サーバー セキュリティ グループ" ポリシー設定を無効にしたり、構成しなかった場合、適切な RDS CAL が使用可能であれば、RDS CAL を要求している任意の RD セッション ホスト サーバーに対して、ライセンス サーバーから RDS CAL が発行されます。

"ライセンス サーバー セキュリティ グループ" ポリシー設定は、ライセンス サーバーがドメインのメンバーである場合にのみ有効にしてください。RD セッション ホスト サーバーのコンピューター アカウントを Terminal Server Computers グループに追加できるのは、ライセンス サーバーがドメインのメンバーである場合のみです。ワークグループのメンバーであるライセンス サーバーでこのポリシー設定を有効にしても、ポリシー設定の効果はありません。この場合、ライセンス サーバーからは引き続き RDS CAL が発行され、ライセンス サーバーからの RDS CAL を要求しているすべての RD セッション ホスト サーバーに対する発行が継続されます。

"ライセンス サーバー セキュリティ グループ" ポリシー設定は、コンピューターの構成\ポリシー\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\リモート デスクトップ サービス\RD ライセンスにあり、ローカル グループ ポリシー エディターまたはグループ ポリシー管理コンソール (GPMC) を使用して構成できます。

"ライセンス サーバー セキュリティ グループ" ポリシー設定を有効にしてライセンス サーバーに適用した場合は、リモート デスクトップ ライセンス マネージャー ツールの [構成の確認] でそのことが示されます。[構成の確認] の詳細については、「リモート デスクトップ ライセンス サーバーの構成を確認する」を参照してください。

リモート デスクトップ サービスのグループ ポリシー設定の詳細については、リモート デスクトップ サービスのテクニカル リファレンス (英語の可能性あり)(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=138134) を参照してください。

RD セッション ホスト サーバーに発行される RDS CAL のバージョンを制御する

ライセンス サーバーでは、接続に最も適した RDS CAL が発行されます。たとえば、Windows Server 2008 R2 のライセンス サーバーでは、Windows Server 2008 R2 が実行されている RD セッション ホスト サーバーに接続しているクライアントに対しては Windows Server 2008 R2 の RDS CAL の発行が試行され、Windows Server 2003 が実行されている RD セッション ホスト サーバーに接続しているクライアントに対しては Windows Server 2003 の TS CAL の発行が試行されます。

Windows Server 2008 R2 では、ターミナル サービス クライアント アクセス ライセンス (TS CAL) がリモート デスクトップ サービス クライアント アクセス ライセンス (RDS CAL) と呼ばれるようになりました。

既定では、接続に最も適した RDS CAL が利用できない場合、Windows Server 2008 R2 のライセンス サーバーからは、Windows Server 2008 R2 の RDS CAL が利用できる場合に、次のクライアントに Windows Server 2008 R2 の RDS CAL が発行されます。

  • Windows Server 2003 の RD セッション ホスト サーバーに接続しているクライアント

  • Windows Server 2000 の RD セッション ホスト サーバーに接続しているクライアント

"ライセンスのアップグレードを禁止する" グループ ポリシー設定を使用すると、この動作を変更できます。"ライセンスのアップグレードを禁止する" ポリシー設定を有効にすると、ライセンス サーバーからは、RD セッション ホスト サーバーに適した RDS CAL が利用できない場合に、一時的な RDS CAL がクライアントに発行されます。既にクライアントに一時的な RDS CAL が発行されていて、その一時的な RDS CAL が期限切れとなった場合には、RD セッション ホスト サーバーの RD ライセンスの猶予期間がまだ期限切れになっていない場合を除いて、クライアントは RD セッション ホスト サーバーに接続できなくなります。猶予期間の詳細については、「リモート デスクトップ ライセンスの概要」を参照してください。

"ライセンスのアップグレードを禁止する" ポリシー設定は、コンピューターの構成\ポリシー\管理用テンプレート\Windows コンポーネント\リモート デスクトップ サービス\RD ライセンスにあり、ローカル グループ ポリシー エディターまたはグループ ポリシー管理コンソール (GPMC) を使用して構成できます。

リモート デスクトップ サービスのグループ ポリシー設定の詳細については、リモート デスクトップ サービスのテクニカル リファレンス (英語の可能性あり)(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=138134) を参照してください。


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