リモート デスクトップ接続ブローカー (RD 接続ブローカー) (以前のターミナル サービス セッション ブローカー (TS セッション ブローカー)) は、次の機能を提供する役割サービスです。
- 負荷分散された RD セッション ホスト サーバー ファーム内の既存のセッションにユーザーが再接続できます。これにより、セッションを切断されたユーザーがファーム内の異なる RD セッション ホスト サーバーに接続し、新しいセッションを開始するのを防ぐことができます。
- 負荷分散された RD セッション ホスト サーバー ファーム内の RD セッション ホスト サーバー間で、セッション負荷を均等に分散させることができます。
- ユーザーが RemoteApp とデスクトップ接続 経由で、RD 仮想化ホスト サーバー上でホストされている仮想デスクトップや、RD セッション ホスト サーバー上でホストされている RemoteApp プログラムにアクセスできるようにします。
RD 接続ブローカーは、負荷分散された RD セッション ホスト サーバー ファーム内のユーザー セッションの状況を記録します。RD 接続ブローカー データベースには、各セッションが配置されている RD セッション ホスト サーバーの名前、各セッションに対するセッションの状態、セッション ID、各セッションに関連付けられたユーザー名などのセッション情報が格納されます。RD 接続ブローカーはこの情報を使用して、既存のセッションを持つユーザーを、ユーザーのセッションが配置されている RD セッション ホスト サーバーにリダイレクトします。
セッションからユーザーを切断しても (意図的またはネットワーク障害により)、ユーザーが実行しているアプリケーションは動作を続行します。ユーザーが再接続する際、既存のセッションがあるかどうか、およびファーム内のどの RD セッション ホスト サーバー上に既存のセッションがあるかを調べるために、RD 接続ブローカーに問い合わせが実行されます。既存のセッションがある場合は、RD 接続ブローカーによって、セッションが存在する RD セッション ホスト サーバーにクライアントがリダイレクトされます。
RD 接続ブローカーの負荷分散を使用すると、既存のセッションを持たないユーザーが負荷分散された RD セッション ホスト サーバー ファーム内の RD セッション ホスト サーバーに接続するときに、ユーザーは最もセッション数の少ない RD セッション ホスト サーバーにリダイレクトされます。既存のセッションを持つユーザーが再接続すると、既存のセッションが存在する RD セッション ホスト サーバーにユーザーがリダイレクトされます。ファーム内の処理能力の異なるサーバー間でセッション負荷を分散させるために、サーバーに相対的なサーバーの重みの値を割り当てることができます。
RD 接続ブローカーを使用して、RemoteApp とデスクトップ接続にアクセスすることもできます。RemoteApp とデスクトップ接続によって、RemoteApp プログラムのカスタマイズされたビューと仮想デスクトップがユーザーに提供されます。RD 接続ブローカーでは、RemoteApp とデスクトップ接続を使用してアクセスする仮想デスクトップ上の既存のセッションに対する負荷分散と再接続をサポートします。RemoteApp とデスクトップ接続をサポートするように RD 接続ブローカー サーバーを構成するには、リモート デスクトップ接続マネージャー ツールを使用します。詳細については、Windows Server 2008 R2 のリモート デスクトップ接続マネージャーのヘルプを参照してください。
RD 接続ブローカーのコンポーネント
負荷分散された RD セッション ホスト サーバー ファームでは、次の 2 つの RD 接続ブローカー コンポーネントについて考慮します。
- RD 接続ブローカーのサーバー。これは、1 つ以上の負荷分散された RD セッション ホスト サーバー ファームに対して、リモート デスクトップ接続ブローカー サービスを実行し、ユーザー セッションを追跡するサーバーです。RD 接続ブローカーはファーム名を使用して、同じ RD セッション ホスト サーバー ファームにあるサーバーを判別します。
- RD 接続ブローカーを使用する RD セッション ホスト サーバー。RD 接続ブローカー内のファームのメンバーである RD セッション ホスト サーバーです。RD 接続ブローカーに参加するには、サーバーは以下の条件を満たしている必要があります。
- サーバーに RD セッション ホスト の役割サービスがインストールされている。
- サーバーは Active Directory ドメインのメンバーである。
- サーバーは、RD 接続ブローカー サーバー上の Session Broker Computers ローカル グループのメンバーである。
- サーバーは、負荷分散された RD セッション ホスト サーバー ファームのメンバーである。
RD 接続ブローカー の負荷分散機能を使用している場合は、他の RD 接続ブローカー 設定と共に負荷分散設定を構成することができます。詳細については、「チェックリスト: RD 接続ブローカーを使用して、負荷分散された RD セッション ホスト サーバー ファームを作成する」を参照してください。
重要 Windows Server 2008 R2 で RD 接続ブローカーを使用するファームのメンバーになるには、RD セッション ホスト サーバーで Windows Server 2008 R2 または Windows Server 2008 を実行している必要があります。
- サーバーに RD セッション ホスト の役割サービスがインストールされている。
RD 接続ブローカーの詳細については、Windows Server 2008 R2 TechCenter のリモート デスクトップ サービスに関するページ (英語の可能性あり)(