コマンドレット名は、入力が面倒な場合があります。入力の手間の軽減を図り、他のシェルに慣れているユーザーが Windows PowerShell を容易に使用できるようにするために、Windows PowerShell では、エイリアス、つまりコマンドの別名の概念がサポートされています。コマンドレット名、関数名、または実行可能ファイル名に対してエイリアスを作成し、あらゆるコマンドで名前の代わりにエイリアスを入力できます。
Windows PowerShell には、数多くの組み込みエイリアスが含まれていますが、自分でエイリアスを作成することもできます。作成したエイリアスは、現在のセッション内でのみ有効です。持続的なエイリアスを作成するには、エイリアスを Windows PowerShell プロファイルに追加します。
セッション内で有効なすべてのエイリアスを調べるには、次のように入力します。
get-alias
コマンドレットのエイリアスを検索するには、次のように入力します。
get-alias | where-object {$_.definition -eq "<cmdlet-name>"}
次にその例を示します。
get-alias | where-object {$_.definition -eq "set-location"}
Windows PowerShell のエイリアスは、.NET Framework アセンブリである Windows PowerShell エイリアス プロバイダーによってサポートされます。エイリアス プロバイダーにより、Windows のファイル システム ドライブのような外観のドライブ内に、エイリアスが表示されます。エイリアス用のドライブは Alias: です。
Alias: ドライブに移動するには、次のように入力します。
set-location alias:
Alias: ドライブの子項目であるエイリアスを表示するには、次のように入力します。
get-childitem
Alias: ドライブの子項目を他のドライブから表示するには、コマンドにドライブ名を含めます。次にその例を示します。
get-childitem alias:
エイリアスの作成
Windows PowerShell でコマンドレットおよびコマンドのエイリアスを作成するには、Set-Alias コマンドレットを使用します。たとえば、"gh" エイリアスを作成して Get-Help コマンドレットに割り当てるには、次のように入力します。
set-alias gh get-help
また、コマンド (たとえばプログラムを起動するコマンド) のエイリアスも作成できます。たとえば、"np" エイリアスを作成してメモ帳に割り当てるには、次のように入力します。
set-alias np c:\windows\notepad.exe
(メモ帳へのパスはシステムによって異なる場合があります。)
エイリアスの削除
エイリアスを削除するには、Remove-Item コマンドレットを使用して Alias: ドライブからエイリアスを削除します。たとえば、"ls" エイリアスを削除するには、次のように入力します。
remove-item alias:ls
関数を使用した代替名の作成
コマンドレット、関数、または実行可能ファイルのエイリアスを作成することはできますが、パラメーターを含むコマンドのエイリアスは作成できません。ただし、エイリアスのように動作する関数を作成することはできます。
たとえば、Windows XP が実行されているコンピューター上の Boot.ini ファイルをメモ帳を使用して開くには、次のように入力します。
notepad c:\boot.ini
"notepad c:\boot.ini" に対するエイリアスは作成できませんが、関数を作成できます。次のコマンドを使用すると、bootini という関数が作成されます。
function bootini {notepad c:\boot.ini}
この関数は、エイリアスと同じように動作します。Windows PowerShell プロンプトで「bootini」と入力すると、メモ帳が開いて Boot.ini の内容が表示されます。