Windows 展開サービスでは、物理的なコンピューターを Active Directory ドメイン サービス (AD DS) 内のコンピューター アカウント オブジェクトにリンクできます。この操作を、クライアントの "事前登録" といいます。また、事前登録されたクライアントを "既知のコンピューター" といいます。クライアントを事前登録すると、プロパティを構成することで、そのクライアントに対するインストールを制御できます。たとえば、どのネットワーク ブート プログラムや無人セットアップ ファイルをクライアントに送るか、また、どのサーバー上のネットワーク ブート プログラムをクライアントでダウンロードするかを指定できます。詳細については、
コンピューター アカウント オブジェクトを作成して物理的なコンピューターと関連付けるには、次の方法があります。
- WDSUTIL を使用する。クライアント コンピューターがネットワーク ブートを試行する前に、それらのコンピューターをコマンド ラインから事前登録できます。詳細については、後で説明する 2 番目の手順を参照してください。Windows 展開サービス MMC スナップインでは、コンピューターの事前登録はできませんが、自動追加ポリシーを構成するを設定することで、保留中のコンピューターを承認または拒否することができます。
- Active Directory ユーザーとコンピューターのスナップインを使用する。クライアント コンピューターがネットワーク ブートを試行する前に、それらのコンピューターを AD DS から事前登録できます。詳細については、後で説明する最初の手順を参照してください。
- 自動追加ポリシーを有効にする。このポリシーを有効にし、不明なクライアントに対するインストールを承認すると、インストール処理が続行され、そのクライアントに対応するコンピューター アカウントが AD DS 上に作成されます。詳細については、「自動追加ポリシーを構成する」を参照してください。
- イメージのインストールの一環として Windows 展開サービスを使用する。Windows 展開サービスを使用してオペレーティング システムのインストールを実行すると、既定では必ずクライアント コンピューターがドメインに参加することになります。この機能は、サーバーのプロパティ ページにある [クライアント] タブで無効にできます。
Windows のインターフェイスを使用してクライアント コンピューターを事前登録するには |
Active Directory ユーザーとコンピューターが動作しているサーバー上で、Active Directory ユーザーとコンピューター MMC スナップインを開きます ([スタート] メニューの [ファイル名を指定して実行] をクリックし、「dsa.msc」と入力して [OK] をクリックします)。
注 リモート サーバー管理ツールの "AD DS スナップインおよびコマンドライン ツール" をインストールすると、サーバーをリモートで管理できます。これをインストールするには、サーバー マネージャーの [機能の追加] をクリックし、[リモート サーバー管理ツール] > [リモート管理ツール] > [AD DS および AD LDS ツール] > [AD DS ツール] > [AD DS スナップインおよびコマンドライン ツール] にある機能をインストールします。
コンソール ツリーで、新しいクライアント コンピューターが含まれる組織単位を右クリックします。
[新規作成]、[コンピューター] の順にクリックします。
クライアント コンピューター名を入力し、[次へ] をクリックして、[これは管理されているコンピューターです] をクリックします。
テキスト ボックスに、クライアント コンピューターのメディア アクセス制御 (MAC) アドレスの先頭に 20 個のゼロを付加して入力するか、またはグローバル一意識別子 (GUID) を {XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXX-XXXXXXXXXXXX} の形式で入力します。
[次へ] をクリックし、次のいずれかのオプションをクリックして、このクライアント コンピューターをサポートするサーバー (複数可) を指定します。
- [任意の利用可能なリモート インストール サーバー]
- [次のリモート インストール サーバー]
- [任意の利用可能なリモート インストール サーバー]
[次へ]、[完了] の順にクリックします。
コマンド ラインを使用してクライアント コンピューターを事前登録するには |
[スタート] ボタンをクリックし、[コマンド プロンプト] を右クリックして、[管理者として実行] をクリックします。
次のコマンドを入力します。<devicename> は名前、<GUIDorMACAddress> は新しいコンピューターの識別子です。/ID オプションで MAC アドレスを指定する場合は、先頭に 0 (ゼロ) を 20 個付ける必要があります。
WDSUTIL /add-device /device:<devicename> /ID:<GUIDorMACAddress> <options>
例:
WDSUTIL /Add-Device /Device:Computer1 /ID:{E8A3EFAC-201F-4E69-953F-B2DAA1E8B1B6} /ReferralServer:WDSServer1 /BootProgram:boot\x86\pxeboot.com /WDSClientUnattend:WDSClientUnattend\unattend.xml /User:Domain\MyUser/JoinRights:Full /BootImagePath:boot\x86\images\boot.wim /OU:"OU=MyOU,CN=Test,DC=Domain,DC=com"