Microsoft の Web サイト (英語の可能性あり) (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=139521) で入手できる、UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティとソフトウェア開発キット (SDK) のダウンロード パッケージは、Microsoft® Windows Server® 2008 R2 に付属している UNIX ベース アプリケーション用サブシステム (SUA) コンポーネントで動作するように設計されています。

ダウンロード パッケージに含まれるコンポーネント

ダウンロード パッケージには、次のコンポーネントが含まれています。

ダウンロード パッケージは、Windows® Services for UNIX 3.5 で提供される機能に加えて、SUA を使用した 64 ビット アプリケーションの開発もサポートしています。また、Windows Oracle 呼び出しインターフェイス (OCI) および Windows ODBC ライブラリ (このドキュメントでは、これらを総称して "混合モード" と呼びます) を使用すると、カスタム UNIX アプリケーションの開発およびポートも可能です。

基本ユーティリティ、GNU ユーティリティ、SDK、および UNIX Perl

これらのコンポーネントには、以前 Windows Services for UNIX 3.5 でインストールされていたすべてのユーティリティが含まれます。BSD ベースのユーティリティとオプションの SUA GNU ユーティリティが 300 近くあります。これらのユーティリティの多く (約 80) は、64 ビット バージョンも提供されています。

GNU コンポーネントには、GNU General Public License (GPL) に基づいて配布されるユーティリティおよび SDK ツールが含まれます。

すべての基本ユーティリティの一覧は、インストール パッケージに付属しているヘルプおよびリリース ノートを参照してください。

SVR-5 ユーティリティ

これは、Korn シェルと約 150 のユーティリティで構成されています。その大部分は SVR-5 をサポートします。現在これらのユーティリティは 32 ビット バージョンで提供されており、特定の 64 ビットのシナリオではエラーが発生する場合があります。ただし、これらのユーティリティは WOW 64 ビット プラットフォームでは動作します。

すべての SVR-5 ユーティリティの一覧は、インストール パッケージに付属しているヘルプおよびリリース ノートを参照してください。

基本 SDK

現在のリリースでは、Windows Services for UNIX 3.5 でインストールされるライブラリとヘッダーのほとんどをサポートしています。32 ビットおよび 64 ビットの両方の SUA 関連ソフトウェアの移行と開発がサポートされています。

この SDK は、標準 C ライブラリ、標準 C++ ライブラリ、Math ライブラリと、各ライブラリに対応するヘッダー ファイルで構成されています。標準 C++ ライブラリと Math ライブラリは、Microsoft が Microsoft Visual Studio® 開発システム環境の一部として提供しているものと機能的には同じです。標準 C ライブラリと Math ライブラリは、32 ビット プラットフォームと 64 ビット プラットフォームの両方で利用できます。標準 C++ ライブラリは、32 ビット バイナリと 64 ビット バイナリの両方で利用でき、マルチスレッド アプリケーションをサポートしています。

コンパイラの互換性

基本 SDK パッケージは、gcc (GNU C) および g++ (GNU C++) コンパイラまたは Visual Studio 2005 コンパイラのいずれかと共に使用できます。Visual Studio 2005 コンパイラを使用する場合、共有オブジェクトへのリンクはサポートされません。このパッケージに付属している標準 C++ ライブラリは、Visual Studio 2005 コンパイラと互換性があり、c89 で使用することができます。

g++ コンパイラは、C++ のコンパイルに独自のライブラリを使用します。

システム要件

UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK のパッケージは、Windows のサーバー クラスのオペレーティング システムにのみインストールできます。

SUA のユーティリティと SDK をインストールするための最小システム要件は、インストールするコンポーネント、およびコンポーネントをインストールするディスクのファイル システムによって異なります。

SUA のユーティリティと SDK のすべてのコンポーネントをインストールするために必要なディスク領域は、最大で約 350 MB です。

その他の要件

  • 製品サポートを受けるには、SUA のユーティリティと SDK をインストールする前に最新の Windows Service Pack をインストールし、それ以降も新しい Windows Service Pack が提供された場合はその都度インストールする必要があります。

  • SUA のユーティリティと SDK は、NTFS ファイル システムでフォーマットされたパーティションにインストールする必要があります。FAT パーティションでのファイル システムの操作はサポートされていません。

  • コンピューターには、オペレーティング システムの推奨される最小構成よりも 16 MB 以上大きな RAM を搭載することをお勧めします。

インストール オプション

UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK をインストールする場合、次のいずれかのインストール オプションを選択できます。

次の表に、標準インストールでコンピューターにインストールされるコンポーネント (標準)、およびカスタム インストールで追加インストールできるコンポーネント (カスタム) を示します。カスタム インストールを選択した場合、標準インストールで自動的にインストールされるコンポーネントをインストールしないことを選択できます。これらのコンポーネントは、Windows のサーバー クラスのオペレーティング システムにのみインストールできます。

コンポーネント インストールの種類

基本ユーティリティ

標準

基本 SDK

標準

SVR-5 ユーティリティ

カスタム

GNU ユーティリティ

カスタム

GNU SDK

カスタム

UNIX Perl

カスタム

Visual Studio デバッガー拡張機能

カスタム

Windows Services for UNIX 3.5 からアップグレードする場合、Windows Server 2008 R2 または Windows Server 2008 を実行しているコンピューター上の既存の設定はインストール時に保存され、SUA のユーティリティと SDK をセットアップする際に復元されます。

Windows インターフェイスを使用して UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK をインストールする

次のインストール オプションを利用できます。

標準インストール

標準インストールを実行するには
  1. Microsoft の Web サイト (英語の可能性あり) (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=139521) から、UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK をダウンロードします。

  2. UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK ウィザードで、[次へ] をクリックします。

  3. [ユーザー名] ボックスに、名前を入力します。"組織名" フィールドに組織名が表示されていない場合は、組織名を入力します。

  4. 使用許諾契約書をよく読んでください。使用許諾契約書に同意する場合は、[使用許諾契約書に同意します] をクリックし、[次へ] をクリックしてインストールを続行します。[使用許諾契約書に同意しません (セットアップの終了)] をクリックすると、インストール手順が終了します。

  5. UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK の既定のコンポーネントを既定のディレクトリにインストールするには、[標準インストール] をクリックし、[次へ] をクリックします。インストールをカスタマイズするには、「カスタム インストール」を参照してください。

カスタム インストール

カスタム インストールを実行するには
  1. Microsoft の Web サイト (英語の可能性あり) (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=139521) から、UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK をダウンロードします。

  2. UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK ウィザードで、[次へ] をクリックします。

  3. [ユーザー名] ボックスに、名前を入力します。"組織名" フィールドに組織名が表示されていない場合は、組織名を入力します。

  4. 使用許諾契約書をよく読んでください。使用許諾契約書に同意する場合は、[使用許諾契約書に同意します] をクリックし、[次へ] をクリックしてインストールを続行します。[使用許諾契約書に同意しません (セットアップの終了)] をクリックすると、インストール手順が終了します。

  5. UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK の既定のコンポーネントを既定のディレクトリにインストールするには、[標準インストール] をクリックし、[次へ] をクリックします (前のセクションの「標準インストール」を参照してください)。異なるコンポーネントまたは異なるインストール場所を指定する場合は、[カスタム インストール] をクリックし、[次へ] をクリックします。

  6. インストールする各コンポーネントのチェック ボックスをオンにし、適切なオプションをクリックします。インストールしないコンポーネントについては、コンポーネントの横のアイコンをクリックし、[インストールしない] をクリックします。インストールするコンポーネントの指定が完了したら、[次へ] をクリックします。

  7. GNU ソフトウェア開発キット (SDK) をインストールする場合は、GNU Library General Public License に関する情報をよく読んでください。GNU SDK をインストールする場合は、[次へ] をクリックしてインストールを続行します。選択したコンポーネントを変更するには、[戻る] をクリックします。

  • UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK をインストールした後、追加のコンポーネントをインストールしたり、インストールされているコンポーネントを削除したりすることができます。
  • UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK のコンポーネントは、ネットワーク サーバーから実行することはできません。すべてのファイルをローカル コンピューターにインストールする必要があります。
  • 標準インストールでは、完全な UNIX 開発環境は提供されません。GNU コンパイラ、ビルド ツール、および他の SDK コンポーネントをすべて使用できるようにするには、[カスタム インストール] を選択し、[GNU SDK] を選択する必要があります。
  • UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK をインストールすると、setuid 動作は既定で無効になります。このことは、特定の SUA プログラムの動作に影響を与えます。
  • このインストールでは、非 Win 32 サブシステムにおけるファイル名などのオブジェクト名の大文字小文字の区別は有効になりません。

コマンド ラインを使用して UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK をインストールする

UNIX ベース アプリケーション用サブシステムのユーティリティと SDK のコマンド ライン インストールを開始するには、次の手順を実行します。

コマンド ライン インストールを実行するには
  • コマンド プロンプトで、次のように入力します。

    msiexec /i [パス\]setup.msi [ADDLOCAL="コンポーネント[,コンポーネント...]"] {/qb|/q}

次の表に、このコマンドの引数およびオプションを示します。

引数/オプション

説明

パス

SUA のユーティリティと SDK の setup.msi ファイルの完全修飾パス。このパスを省略する場合、setup.msi ファイルは現在のディレクトリにある必要があります。

/qb

基本ユーザー インターフェイスを使用して SUA のユーティリティと SDK をインストールします。/q または /qb のいずれかのオプションを指定する必要があります。これを指定しないと、予期できない結果になります。

/q

ユーザー インターフェイスも表示も使用せずに SUA のユーティリティと SDK をインストールします。このオプションを使用すると、無人インストールを実行できます。/q または /qb のいずれかのオプションを指定する必要があります。これを指定しないと、予期できない結果になります。

  • このコマンドで実行できるのは標準インストールだけです。
  • セキュリティ上の理由により、既定では、すべての SUA サービス (デーモンとも呼ばれる) が無効になっています。SUA サービスを管理するには、/etc/inetd.conf ファイルを編集します。

関連項目