共有フォルダーのキャッシュ機能を使用すると、ユーザーがネットワークにアクセスせずにオフラインで作業しているときでも共有ファイルにアクセスできるようになります。共有フォルダーまたは共有と記憶域の管理を使用して、共有リソースに対する BranchCache を有効にすることもできます。Windows® 7 または Windows Server 2008 R2 の BranchCache 機能は、支社のコンピューターで共有フォルダーからダウンロードしたファイルをキャッシュし、それらのファイルを支社の他のコンピューターで安全に使用できるようにします。

オフライン ファイルと BranchCache はグループ ポリシーを使用して設定することもできます。グループ ポリシーの設定の完全な一覧については、Microsoft Web サイト (英語の可能性あり) (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=142412) を参照してください。

重要

共有フォルダーの作成時には、既定でオフライン利用が許可されます。これは、セキュリティで保護されたフォルダーが、セキュリティで保護されない可能性のあるコンピューターにオフラインで保存される可能性があることを意味します。安全性を高めるために、オフラインでのファイルの保存をユーザーに許可しないでください。許可する場合は、Windows® BitLocker™ ドライブ暗号化によるオペレーティング システムの暗号化を考慮してください。詳細については、Microsoft Web サイトの BitLocker ドライブ暗号化のページ (英語の可能性あり) (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=141534) を参照してください。

共有フォルダーのキャッシュ オプションを設定する

Windows インターフェイスを使用して、共有フォルダーのキャッシュ オプションを設定するには
  1. [コンピューターの管理] を開きます。

  2. [ユーザー アカウント制御] ダイアログ ボックスが表示された場合は、表示されている操作が目的の操作であることを確認して、[はい] をクリックします。

  3. コンソール ツリーで、[システム ツール]、[共有フォルダー]、[共有] の順にクリックします。

  4. 結果ウィンドウで、共有フォルダーを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  5. [全般] タブで [オフラインの設定] をクリックし、適切なオフライン利用オプションを設定し、[OK] をクリックします。

オフライン利用オプション

次のオフライン利用オプションから 1 つを選択し、各共有フォルダーに割り当てることができます。

  • [ユーザーが指定したファイルおよびプログラムのみオフラインで利用可能]。共有フォルダー設定時の既定のオプションです。このオプションを選択した場合、既定でオフライン利用可能になっているファイルまたはプログラムはありません。ユーザーは、ネットワークに接続していないときにアクセスするファイルまたはプログラムを自分で指定します。

    • [BranchCache を有効にする]。支社のコンピューターでこの共有フォルダーからダウンロードしたファイルをキャッシュし、それらのファイルを支社の他のコンピューターで安全に使用できるようにします。BranchCache を有効にするには、サーバー マネージャーを使用してネットワーク ファイル用 BranchCache 役割サービスを先にインストールしておく必要があります。

  • [共有にあるファイルやプログラムはオフラインで利用可能にしない]。このオプションを選択すると、クライアント コンピューターのオフライン ファイル機能では、共有フォルダー上のファイルおよびプログラムのコピーを作成できなくなります。

  • [ユーザーが共有から開くファイルおよびプログラムはすべて自動的にオフラインで利用可能]。ユーザーが共有フォルダーまたは共有ボリュームにアクセスし、その中にあるファイルまたはプログラムを開くと、そのファイルまたはプログラムは常に自動的に、そのユーザーに対してオフラインで利用可能になります。自動的にオフラインで利用可能になったファイルとプログラムはオフライン ファイル キャッシュに残り、キャッシュがいっぱいになるかユーザーがファイルを削除するまで、サーバー上のバージョンと同期化されます。ユーザーが開かなかったファイルとプログラムは、オフラインで利用可能になりません。

    [パフォーマンスが最適になるようにする] チェック ボックスをオンにした場合は、クライアント コンピューターによって共有フォルダーから実行される実行可能ファイル (EXE、DLL) が自動的にクライアント コンピューターにキャッシュされます。次回クライアント コンピューターで同じ実行可能ファイルを実行する場合、クライアント コンピューターはサーバー上の共有フォルダーではなくローカル キャッシュにアクセスします。

    ファイルおよびプログラムが自動的にキャッシュされるようにするには、クライアント コンピューター上でオフライン ファイル機能を有効にする必要があります。[パフォーマンスが最高になるようにする] オプションは、Windows Vista 以降を使用しているクライアント コンピューターには影響しません。

コマンド ラインを使用して、共有フォルダーのキャッシュ オプションを設定するには
  1. 高度なコマンド プロンプト ウィンドウを開くには、[スタート]、[すべてのプログラム]、[アクセサリ] の順にクリックし、[コマンド プロンプト] を右クリックして、[管理者として実行] をクリックします。

  2. [ユーザー アカウント制御] ダイアログ ボックスが表示された場合は、表示されている操作が目的の操作であることを確認して、[はい] をクリックします。

  3. 次のいずれかのコマンドを入力して、指定した共有フォルダーのキャッシュ機能を指定します。

    net share <sharename> /cache:manual
    net share <sharename> /cache:BranchCache
    net share <sharename> /cache:documents
    net share <sharename> /cache:programs
    net share <sharename> /cache:none

    たとえば、myshare という名前の共有フォルダーからオフラインで保存できるドキュメントとプログラムをユーザーが識別できるようにするには、次のように入力します。

    net share myshare /cache:manual

説明

Net share

共有フォルダーを管理します。

<sharename>

共有フォルダーの名前です。

/cache:manual

文書やプログラムをオフラインで保存するかどうかをユーザーが指定できるようにします。Windows インターフェイスの次のオプションに対応します。[ユーザーが指定したファイルおよびプログラムのみオフラインで利用可能]

/cache:BranchCache

共有フォルダーに対して BranchCache を有効にし、ドキュメントの手動でのキャッシュを有効にします。Windows インターフェイスの次のオプションに対応します。[BranchCache を有効にする] および [ユーザーが指定したファイルおよびプログラムのみオフラインで利用可能]。

/cache:documents

自動的にドキュメントをオフラインで保存します。Windows インターフェイスの次のオプションに対応します。[ユーザーが共有から開くファイルおよびプログラムはすべて自動的にオフラインで利用可能]

/cache:programs

自動的にドキュメントとプログラムをオフラインで保存します。Windows インターフェイスの次のオプションに対応します。[パフォーマンスが最適になるようにする]。

/cache:none

文書やプログラムをユーザーがオフラインで保存できないようにします。Windows インターフェイスの次のオプションに対応します。[共有にあるファイルやプログラムはオフラインで利用可能にしない]

  • このコマンドの完全な構文を表示するには、コマンド プロンプトで次のように入力します。 net help share
  • 共有フォルダーの情報を表示するには、「net share <sharename>」と入力します。