アプリケーション サーバーによって、Microsoft .NET Framework 3.0 を使用して構築されたカスタムのビジネス アプリケーションを展開および実行するための統合環境が提供されます。アプリケーション サーバーの役割をインストールする際に、COM+、メッセージ キュー、Web サービス、および分散トランザクションを使用するように構築されているアプリケーションをサポートするためのサービスを選択できます。
アプリケーション サーバーを利用すると、情報技術 (IT) の専門家や開発者は次の利点を得ることができます。
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パフォーマンスに優れたビジネス アプリケーションの効率的な展開と管理をサポートするコア ランタイム。
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サーバーベースのアプリケーション用に、簡素化されたプログラミング モデルやパフォーマンスに優れた実行モデルを提供する .NET Framework 開発環境。.NET Framework によって Web サービスの利用が可能になり、新規のアプリケーションが既存のアプリケーションやインフラストラクチャと統合されます。
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組織のアプリケーションを実行するために必要な各種の役割サービスと機能を選択できる、使いやすいインストール ウィザード。
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特定の役割サービスに必要な機能を自動的にインストールするインストール機能。
インストール オプション
アプリケーション サーバーの役割をサーバーにインストールする際には、次のオプションのサポートを追加できます。
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Web サーバー
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COM+ ネットワーク アクセス
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Windows プロセス アクティブ化サービス
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TCP ポート共有
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分散トランザクション
Web サーバー
アプリケーション サーバーのインストール時に、Web サーバー サポートを追加できます。このオプションによって、インターネット インフォメーション サービス (IIS) がインストールされます。IIS は、Windows Server 2008 に組み込まれている Web サーバーです。IIS には次の利点があります。
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アプリケーション サーバーで、静的コンテンツや動的コンテンツを含む内部または外部の Web サイトおよびサービスをホストできるようになります。
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Web ブラウザーからアクセスされる ASP.NET アプリケーションがサポートされます。
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ASP.NET または Windows Communication Foundation (WCF) で構築された Web サービスがサポートされます。
COM+ ネットワーク アクセス
COM+ および Enterprise Services コンポーネントで構築されホストされたアプリケーションをリモート起動する必要がある場合は、アプリケーション サーバーのインストール時に、COM+ ネットワーク アクセスを追加します。COM+ ネットワーク アクセスは、Windows Server 2008 に含まれるリモート起動機能の 1 つです。新しいアプリケーションによっては、WCF を使用してリモート起動がサポートされる場合があります。
Windows プロセス アクティブ化サービス
アプリケーション サーバーのインストール時に、Windows プロセス アクティブ化サービス (WAS) サポートを追加できます。WAS を使用すると、ネットワークを介して受信したメッセージに基づいて、アプリケーションを動的に起動したり停止することができます。これらのメッセージの受信時には、ハイパーテキスト転送プロトコル (HTTP)、メッセージ キュー、TCP、および名前付きパイプが使用されます。
TCP ポート共有
複数の HTTP アプリケーションで単一の TCP ポートを使用する場合は、アプリケーション サーバーのインストール時に、TCP ポート共有の役割サービスを追加します。この機能を有効にすると、複数の WCF アプリケーションで単一のポートを共有して、ネットワークから着信メッセージを受信することができます。Net.Tcp ポート共有サービスは、net.tcp プロトコルを使用して接続を受け入れ、メッセージの内容に基づいて、着信メッセージをさまざまな WCF サービスに自動的に転送します。こうすることにより、アプリケーションのインスタンスが多数実行されているアプリケーション サーバーの管理が簡単になります。
分散トランザクション
アプリケーション サーバーのインストール時に、分散トランザクションを追加できます。こうすると、ネットワーク上の複数のコンピューターでホストされている複数のデータベースに対して、完全で適切なトランザクションをサポートするサービスが提供されます。