名前空間は、組織の共有フォルダーを仮想的に表示したものです。名前空間のパスは、共有フォルダーに対する汎用名前付け規則 (UNC) のパスと同様になります (\\Server1\Public\Software\Tools など)。この例では、共有フォルダー Public とそのサブフォルダー Software および Tools はすべて Server1 でホストされています。

ユーザーにデータを置く場所を 1 つだけ与え、可用性とパフォーマンスを向上させるために複数のサーバーでデータをホストする場合、次の図に示すような名前空間を展開できます。この名前空間の各要素は、図に続く部分で説明します。

DFS 名前空間テクノロジの要素
  • 名前空間サーバー。名前空間サーバーは名前空間をホストします。名前空間サーバーをメンバー サーバーやドメイン コントローラーにすることができます。

  • 名前空間のルート。名前空間のルートは、名前空間の開始ポイントです。上の図では、ルートの名前は Public、名前空間のパスは \\Contoso\Public です。この種類の名前空間は、ドメイン名 (Contoso など) で始まり、メタデータを Active Directory ドメイン サービス (AD DS) に格納しているため、ドメイン ベースの名前空間です。上の図では、名前空間サーバーが 1 つだけ示されていますが、ドメイン ベースの名前空間を複数の名前空間サーバーでホストして、名前空間の可用性を向上させることもできます。

  • フォルダー。フォルダー ターゲットを持たないフォルダーは名前空間に階層構造を追加し、フォルダー ターゲットを持つフォルダーはユーザーに対して実際の内容を提供します。ユーザーが名前空間内のフォルダー ターゲットを持つフォルダーを参照すると、クライアント コンピューターは、そのフォルダー ターゲットの 1 つにクライアント コンピューターを透過的にリダイレクトする紹介を受け取ります。

  • フォルダー ターゲット。フォルダー ターゲットは、共有フォルダー、または名前空間内のフォルダーに関連付けられた別の名前空間の UNC パスです。フォルダー ターゲットは、データおよび内容が保存される場所です。上の図では、Tools という名前のフォルダーには、2 つのフォルダー ターゲット (ロンドンに 1 つ、ニューヨークに 1 つ) があります。また、Training Guides という名前のフォルダーには、フォルダー ターゲットがニューヨークに 1 つだけあります。\\Contoso\Public\Software\Tools を参照したユーザーは、そのユーザーが現在所属しているサイトに応じて、共有フォルダー \\LDN-SVR-01\Tools または \\NYC-SVR-01\Tools に透過的にリダイレクトされます。

フォルダーにはフォルダー ターゲットまたは他の DFS フォルダーを含めることができます。ただし、フォルダーの同じ階層に、それら両方を含めることはできません。

名前空間は、DFS の管理、DfsUtil コマンド、または WMI を呼び出すスクリプトを使用して、管理することができます。

その他の参照情報


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