利便性を強化するため、Windows 7 では管理者およびユーザーが指紋生体認証デバイスを使用して、コンピューターへのログオン、ユーザー アカウント制御 (UAC) による昇格特権の付与、および指紋デバイスの基本的な管理を行うことができます。管理者は、グループ ポリシーで指紋生体認証デバイスの使用を有効にしたり、制限したり、ブロックしたりすることにより、このデバイスを管理できます。
生体認証とは
指紋リーダーが組み込まれたコンピューター (特にポータブル コンピューター) の数は増え続けています。指紋リーダーを使用すると Windows でユーザーの識別と認証を行うことができます。これまで、Windows では生体認証デバイスや生体認証対応のアプリケーションに対する標準のサポートは提供されていませんでした。コンピューターの製造元は自社製品で生体認証デバイスをサポートするためのソフトウェアを提供する必要がありました。このことが、生体認証デバイスの使用や管理者による生体認証デバイスの使用の管理を困難にしていました。
Windows 7 には Windows 生体認証フレームワークが組み込まれています。このフレームワークでは、より高度なレベルのアプリケーションに指紋リーダーやその他の生体認証デバイスを一貫した方法で公開し、指紋アプリケーションの検出および開始において一貫した操作環境を提供します。このことを実現するために、このフレームワークでは次を提供します。
- コントロール パネルの [生体認証デバイス] 項目。ユーザーが生体認証デバイスを使用できるかどうかと、生体認証デバイスを使用してローカル コンピューターまたはローカル ドメインにログオンできるかどうかを制御します。
- デバイス マネージャーのサポート。生体認証デバイス用のドライバーを管理します。
- 資格情報プロバイダーのサポート。生体認証データの使用を有効にして構成したり、ローカル コンピューターにログオンしたり、UAC 昇格を実行したりします。
- グループ ポリシー設定。ローカル コンピューターまたはローカル ドメインに対して生体認証データの使用を有効にしたり、無効にしたり、制限したりします。また、グループ ポリシー設定では、生体認証デバイス ドライバー ソフトウェアのインストールの禁止、または生体認証デバイス ドライバー ソフトウェアの強制的なアンインストールも行うことができます。
- Windows Update から入手可能な生体認証デバイス ドライバー ソフトウェア。
生体認証デバイスを使用するのはどのような人ですか。
指紋生体認証デバイスでは、UAC を使用してコンピューターにログオンしたり、昇格を許可したりするための便利な方法を提供します。
新しい生体認証機能のメリットとはどのようなものですか。
新しい生体認証機能では、スタンドアロン コンピューターまたはネットワーク上に指紋生体認証対応アプリケーションを実装して、指紋生体認証デバイスを管理するための一貫した方法を提供します。Windows 生体認証フレームワークを使用すると、ユーザーおよび管理者は、ローカル コンピューターまたはローカル ドメインで生体認証デバイスをより簡単に構成および管理できます。
生体認証に対するこれらの変更によりどのような影響がありますか。
Windows 生体認証フレームワークの導入により、Windows で指紋生体認証デバイスの統合が可能になります。Windows へのログオンおよび UAC 昇格の実行で一貫した操作環境が提供されます。また、デバイスおよびアプリケーションでより一貫した操作環境を提供する検出および統合ポイントの共通のセットが提供されます。また、Windows 生体認証フレームワークには、企業において管理者が生体認証指紋デバイスの展開を制御できる管理機能が組み込まれています。