Windows システム リソース マネージャーの目的は、プロセス、ユーザー、リモート デスクトップ サービス セッション、またはインターネット インフォメーション サービス (IIS) アプリケーション プール (総称して "作業負荷" と呼びます) で確実にシステム リソースを使用できるようにすることです。これらの作業負荷を管理しない場合、システム リソースの使用で競合が発生したり、システム リソースが使い果たされる可能性があります。ただし、Windows システム リソース マネージャーが適切な管理ソリューションではない場合や、Windows システム リソース マネージャーでサーバーの作業負荷に十分なリソースを保証できない場合もあります。

注意

プロセス指向やオブジェクト指向のリソース マネージャーなど、別のリソース マネージャーによってコンピューターが管理されている場合、Windows システム リソース マネージャーではシステム リソースを正しく管理できません。管理状態を最適にするには、Windows システム リソース マネージャーをコンピューター上の唯一のリソース マネージャーとして使用してください。

Windows システム リソース マネージャーの管理対象とするべきではないもの

リソース管理機能が組み込まれたアプリケーション

自身のプロセスの優先度、メモリ制限、またはプロセッサのアフィニティを動的に変更するアプリケーションやプロセスは、Windows システム リソース マネージャーの正しい動作を妨げる可能性があります。

リソース管理機能が組み込まれたアプリケーションが動作しているコンピューターを Windows システム リソース マネージャーで管理する場合、自己管理型のアプリケーションとプロセス、またはそのアプリケーションが自己管理する特定のリソースを、ユーザー定義の除外リストに追加する必要があります。たとえば、データベース サーバー アプリケーションがメモリを管理している場合、Windows システム リソース マネージャーをそのアプリケーションの CPU リソースの管理に使用することはできますが、メモリ管理に使用することは避ける必要があります。

ユーザー定義の除外一覧の詳細については、「ユーザー定義の除外一覧を操作する」を参照してください。

ジョブ オブジェクトを使用するアプリケーション

一部のアプリケーションでは、ジョブ オブジェクトを使用するプロセスが作成されます。ジョブ オブジェクトを使用するプロセスは、Windows システム リソース マネージャーで管理できません。アプリケーションでジョブ オブジェクトが使用されるかどうかを確認するには、アプリケーションのドキュメントを参照してください。

Windows システム リソース マネージャーで管理するコンピューターにおいて、ジョブ オブジェクトを使用するアプリケーションが動作する場合は、それらのアプリケーションをユーザー定義の除外一覧に追加する必要があります。

Windows システム リソース マネージャーで管理されないもの

除外されたアプリケーションによってホストされるアプリケーションまたはプロセス

他のプロセスやアプリケーションをホストするプロセスをユーザー定義の除外一覧に追加すると、警告が表示されます。svchost.exe などのアプリケーションをユーザー定義の除外一覧に追加した場合、このプロセスによってホストされるプロセスも管理対象外となるため、使用可能なリソースがすべて消費される可能性があります。ホスト プロセスがユーザー定義の除外一覧に含まれない場合、ホスト プロセスおよびホストされるプロセスは、条件による一致または既定のグループの一部として管理されます。

オペレーティング システムで使用されるリソース

オペレーティング システムで使用されるプロセッサおよびメモリ リソースは、Windows システム リソース マネージャーによる管理から除外されます。たとえば、リソース割り当てのポリシー Equal_Per_User によって管理されているシステムで、使用可能な CPU のうち 25% がオペレーティング システムで使用されている場合、このコンピューター上でプロセスを実行している 3 人の各ユーザーには、CPU 全体の 25% が割り当てられます。これは、管理可能な CPU の 33.33% に相当します。

残されたリソースではサーバーにインストールされた作業負荷をサポートするのに十分でない場合は、次の対策が考えられます。

  • サーバー上で実行中の作業負荷の数を減らす。

  • 追加のハードウェアをインストールし、使用可能なリソースを増やす。

  • Windows Server 2008 オペレーティング システムの Server Core インストールをインストールし、オペレーティング システムで使用されるリソースを減らす (サーバー上で実行中のアプリケーションおよびサービスでサポートされている場合)。

その他の参照情報

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