公衆交換電話網 (PSTN) は、リアルタイムの音声通信に最適化された、従来からの回線交換方式のネットワークです。通話先に電話をかけるときは、ダイヤル操作によって交換機が接続され、相手との間に回線が確立されます。PSTN では、この回線を占有したまま電話を切るまで保持することで、サービスの品質が保証されます。発信元および着信先が音声を発しているかどうかに関係なく、電話が切られるまでは同じ回線が使用され続けることになります。
Windows Vista および Windows Server 2008 のテレフォニー サービスを使用すると、従来の電話網を使用した通信をプログラムで簡単に実行できます。テレフォニー サーバーにより、PSTN ネットワークへの直接接続、自動ダイヤル操作、電話会議用インターフェイス、ボイス メール、および発信者番号通知のサポートが提供されます。
テレフォニー サービスにより、Windows Vista および Windows Server 2008 オペレーティング システムは、コンピューター テレフォニー統合 (CTI) プログラムを開発および使用するための強力で柔軟なプラットフォームとなります。テレフォニー サービスのクライアント サーバー サポートを使用してプログラムを構築することにより、システム管理と、ボイス メール、通話キュー、着信の転送、コンピューターとテレフォニーの統合、音声認識などの高度なサービスのための、グラフィカル インターフェイスを提供できます。テレフォニー サービスは、個別のプログラムによる各種テレフォニー サービスの提供を可能にするのに加え、複数のプログラムが 1 本の回線を共有してアクティブな状態を維持できるようにテレフォニー デバイスを管理します。あるプログラムが着信を待機している間にも、別のプログラムが発信ダイヤル操作を実行できます。
クライアント サーバー環境では、その他のネットワーク サービスと同様にテレフォニーを管理できます。特定ユーザーの利用可能な回線や電話を指定することや、ドメイン セキュリティによってテレフォニー リソースに対するアクセスを管理することができます。テレフォニー サービス プロバイダーおよび保存されているすべてのパラメーターは LAN 経由で更新できるため、リソースのセットアップ、使用、および管理は、物理的な位置にかかわらず簡単に行うことができます。