トピック
    about_aliases

簡易説明
    Windows PowerShell のコマンドレットとコマンドに代替名を使用する方法を説明します。

詳細説明
    エイリアスとは、コマンドレットやコマンドの要素 (関数、スクリプト、ファイル、実行可能ファイ
    ルなど) に使用する代替名またはニックネームです。Windows PowerShell のすべてのコマンドでは、
    エイリアスをコマンド名の代わりに使用できます。
    
    エイリアスを作成するには、New-Alias コマンドレットを使用します。たとえば、次のコマンドで
    は Get-AuthenticodeSignature コマンドレットのエイリアス "gas" を作成します。

        new-alias -name gas -valueGet-AuthenticodeSignature

    コマンドレット名のエイリアスを作成したら、そのエイリアスをコマンドレット名の代わりに使用でき
    ます。たとえば、SqlScript.ps1 ファイルの Authenticode 署名を取得するには、次のように入力します。

        get-authenticodesignature sqlscript.ps1

    または、次のように入力します。

        gas sqlscript.ps1

	
     Microsoft Office Word に "word" というエイリアスを作成すると、次のように記述する代わりに
     「word」と入力できます。
	

        "c:\program files\microsoft office\office11\winword.exe"

組み込みエイリアス
    Windows PowerShell には、Set-Location コマンドレットに関連付けられた "cd" と "chdir" 
    や、Get-ChildItem コマンドレットに関連付けられた "ls" と "dir" などの一連の組み込みエイリアスが
    用意されています。

    コンピューターに定義されているすべてのエイリアス (組み込みエイリアスを含む) を取得するには、
    次のコマンドを入力します。

        get-alias

エイリアス コマンドレット
    Windows PowerShell には、エイリアスの操作を行うために設計された次のコマンドレットが用意され
    ています。

        - Get-Alias. 現在のセッションのすべてのエイリアスを取得します。	 New-Alias. 新しい
          エイリアスを作成します。
        - Set-Alias. エイリアスを作成または変更します。
        - Export-Alias. 1 つまたは複数のエイリアスをファイルにエクスポートします。
        - Import-Alias. エイリアス ファイルを Windows PowerShell にインポートします。

    コマンドレットの詳細については、次のように入力して確認してください。

	get-help <コマンドレット名> -detailed

    たとえば、次のように入力します。
	
	get-help export-alias -detailed

エイリアスの作成
    新しいエイリアスを作成するには、New-Alias コマンドレットを使用します。たとえば、"gh" エイ
    リアスを作成して Get-Help に割り当てるには、次のように入力します。

	new-alias -name gh -valueget-help

    このエイリアスは、コマンド内で、コマンドレットの完全な名前と同じように使用できます。また、
    このエイリアスはパラメーターと共に使用できます。

    たとえば、Get-WmiObject コマンドレットの詳細なヘルプを表示するには、次のように入力します。

	get-help get-wmiobject -detailed

    または、次のように入力します。

	gh get-wmiobject -detailed

エイリアスの保存
    作成したエイリアスは、現在のセッションにのみ保存されます。保存したエイリアスを別のセッショ
    ンで使用するには、Windows PowerShell プロファイルにそのエイリアスを追加します。または、
    Export-Alias コマンドレットを使用して、エイリアスをファイルに保存します。
    
    詳細については、次のように入力して確認してください。

        get-help about_profile

エイリアスの取得
    現在のセッションのすべてのエイリアス (組み込みエイリアス、Windows PowerShell プロファイルに存
    在するエイリアス、および現在のセッションで作成したエイリアスを含む) を取得するには、次のよう
    に入力します。

	get-alias
  
    特定のエイリアスを取得するには、Get-Alias コマンドレットの Name パラメーターを使用します。
    たとえば、"p" で始まるエイリアスを取得するには、次のように入力します。

	get-alias -name p*

    特定のアイテムのエイリアスを取得するには、Definition パラメーターを使用します。
    たとえば、Get-ChildItem コマンドレットのエイリアスを取得するには、次のように入力します。

	get-alias -definitionGet-ChildItem


パラメーターを持つコマンドの代替名
    エイリアスは、コマンドレット、スクリプト、関数、または実行可能ファイルに割り当てることができます。
    ただし、コマンドとそのパラメーターにエイリアスを割り当てることはできません。
    たとえば、Get-EventLog コマンドレットにエイリアスを割り当てることはできますが、
    "get-eventlog -logname system" コマンドにエイリアスを割り当てることはできません。

    ただし、コマンドを含む関数は作成できます。関数を作成するには、"function" という単語に続けてそ
    の関数の名前を入力します。
    次にコマンドを入力し、そのコマンドを中かっこ ( { } ) で囲みます。

    たとえば、次のコマンドでは syslog 関数が作成されます。この関数は、"get-eventlog -logname 
    system" コマンドを示しています。

	function syslog {get-eventlog -logname system}

    これで、このコマンドの代わりに「syslog」と入力できるようになります。また、syslog 関数に対し
    てエイリアスを作成できます。

    関数の詳細については、次のように入力して確認してください。

	get-help about_functions

エイリアス オブジェクト
     Windows PowerShell のエイリアスは、System.Management.Automation.AliasInfo
     クラスのインスタンスであるオブジェクトによって表現されます。このオブジェクト型の
     詳細については、Microsoft Developer Network (MSDN) ライブラリで「AliasInfo Class 
     (AliasInfo クラス)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=143644) を参照してください。
     

     エイリアス オブジェクトのプロパティとメソッドを表示するには、そのエイリアスを取得します。
     次に、それらのエイリアスを Get-Member コマンドレットにパイプします。次にその例を示します。

	get-alias | get-member

     "dir" エイリアスなどの特定のエイリアスのプロパティの値を表示するには、そのエイリアスを取
     得します。次に、そのエイリアスを Format-List コマンドレットにパイプします。たとえば、次の
     コマンドで、"dir" エイリアスを取得し、次に、このエイリアスを Format-List コマンドレットにパ
     イプします。その後、Format-List の Property パラメーターにワイルドカード文字 (*) を指定して、
     "dir" エイリアスのすべてのプロパティを一覧表示します。この一連のタスクを実行するコマンドは次
     のとおりです。

	get-alias -name dir | format-list -property *

Windows PowerShell のエイリアス プロバイダー
    Windows PowerShell にはエイリアス プロバイダーが用意されています。エイリアス プロバイダーを
    使用すると、ドライブのファイル システムに格納されているかのように、Windows PowerShell の
    エイリアスを表示できます。

    エイリアス プロバイダーは、Alias: ドライブを公開します。Alias: ドライブに移動するには、次のよう
    に入力します。

	set-location alias:

    ドライブの内容を表示するには、次のように入力します。

	get-childitem

    このドライブの内容を他の Windows PowerShell ドライブから参照するには、パスの最初にドライブ
    名を追加します。ドライブ名にはコロン (:) を含めます。次にその例を示します。

	get-childitem -path alias:

    特定のエイリアスに関する情報を取得するには、ドライブ名とエイリアス名を入力します。または、
    名前のパターンを入力します。たとえば、"p" で始まるすべてのエイリアスを取得するには、
    次のように入力します。

	get-childitem -path alias:p*

    Windows PowerShell エイリアス プロバイダーの詳細については、次のように入力して確認してください。
	
	get-help alias-psprovider


関連項目

    new-alias
    get-alias
    set-alias
    export-alias
    import-alias
    get-psprovider
    get-psdrive
    about_functions
    about_profiles
    about_providers




目次