Microsoft .NET Framework オブジェクトによって生成されたイベントをサブスクライブします。
構文
Register-ObjectEvent [-InputObject] <psobject> [-EventName] <string> [[-SourceIdentifier] <string>] [[-Action] <scriptblock>] [-Forward] [-MessageData <psobject>] [-SupportEvent] [<CommonParameters>]
説明
Register-ObjectEvent コマンドレットは、ローカル コンピューターまたはリモート コンピューター上の .NET Framework オブジェクトによって生成されたイベントをサブスクライブします。
サブスクライブされたイベントが発生すると、セッションのイベント キューに追加されます。イベント キューのイベントを取得するには、Get-Event コマンドレットを使用します。
Register-ObjectEvent のパラメーターを使用してイベントのプロパティ値を指定し、キューのイベントを識別しやすくすることができます。Action パラメーターを使用して、サブスクライブしたイベントが発生したときに実行するアクションを指定し、Forward パラメーターを使用してローカル セッションのイベント キューにリモート イベントを送信することもできます。
イベントをサブスクライブするとき、イベント サブスクライバーがセッションに追加されます。セッションのイベント サブスクライバーを取得するには、Get-EventSubscriber コマンドレットを使用します。サブスクリプションをキャンセルするには、Unregister-Event コマンドレットを使用して、セッションからイベント サブスクライバーを削除します。
パラメーター
-Action <scriptblock>
イベントを取り扱うコマンドを指定します。Action のコマンドは、イベント キューへのイベントの送信時ではなく、イベントの発生時に実行されます。コマンドを中かっこ ({ }) で囲み、スクリプト ブロックを作成します。
Action パラメーターの値には、イベントに関する情報を Action スクリプト ブロックに提供する、$Event、$EventSubscriber、$Sender、$SourceEventArgs、および $SourceArgs 自動変数を含めることができます。詳細については、「about_Automatic_Variables」を参照してください。
アクションを指定すると、Register-ObjectEvent は、そのアクションを表すイベント ジョブ オブジェクトを返します。Job コマンドレットを使用して、イベント ジョブを管理できます。
必須 |
false |
位置 |
102 |
既定値 |
None. |
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
false |
-EventName <string>
サブスクライブするイベントを指定します。イベント名を入力します。このパラメーターは必須です。
このパラメーターの値は、イベント サブスクリプション用に選択する名前ではありません。.NET Framework オブジェクトが公開するイベントの名前です。たとえば、ManagementEventWatcher クラスには、"EventArrived" および "Stopped" という名前のイベントがあります。イベントのイベント名を検索するには、Get-Member コマンドレットを使用します。
必須 |
true |
位置 |
2 |
既定値 |
なし |
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
false |
-Forward
このサブスクリプションのイベントをリモート セッションに送信します。このパラメーターは、リモート コンピューターまたはリモート セッションのイベントに登録する場合に使用します。
必須 |
false |
位置 |
named |
既定値 |
False |
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
false |
-InputObject <psobject>
イベントを生成する .NET Framework オブジェクトを指定します。オブジェクトが格納されている変数を入力するか、オブジェクトを取得するコマンドまたは式を入力します。このパラメーターは必須です。
必須 |
true |
位置 |
1 |
既定値 |
なし |
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
false |
-MessageData <psobject>
このイベント サブスクリプションに関連付けられている任意の追加データを指定します。このパラメーターの値は、このサブスクリプションに関連付けられたすべてのイベントの MessageData プロパティに表示されます。
必須 |
false |
位置 |
named |
既定値 |
なし |
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
false |
-SourceIdentifier <string>
サブスクリプション用に選択した名前を指定します。選択した名前は、現在のセッションで一意でなければなりません。既定値は Windows PowerShell が割り当てた GUID です。
このパラメーターの値は、サブスクライバー オブジェクトおよびこのサブスクリプションに関連付けられたすべてのイベント オブジェクトの SourceIdentifier プロパティの値に表示されます。
必須 |
false |
位置 |
101 |
既定値 |
GUID |
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
false |
-SupportEvent
イベント サブスクリプションを非表示にします。このパラメーターは、現在のサブスクリプションがさらに複雑なイベント登録メカニズムの一部であり、単独で検出されない場合に使用します。
SupportEvent パラメーターを使用して作成されたサブスクリプションを表示またはキャンセルするには、Get-EventSubscriber および Unregister-Event コマンドレットの Force パラメーターを使用します。
必須 |
false |
位置 |
named |
既定値 |
False |
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
false |
<CommonParameters>
このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: -Verbose、-Debug、-ErrorAction、-ErrorVariable、-OutBuffer、および -OutVariable。Ô”¼š¤Ë¤Ä¤¤¤Æ¤Ï¡¢次を参照してください: about_Commonparameters.
入力と出力
入力値の型は、コマンドレットへのパイプが可能なオブジェクトの型です。戻り値の型は、コマンドレットによって返されるオブジェクトの型です。
入力 |
なし パイプを使用してオブジェクトを Register-ObjectEvent に渡すことはできません。 |
出力 |
なし このコマンドレットは出力を生成しません。 |
注
イベント、イベント サブスクリプション、およびイベント キューは、現在のセッションにのみ存在します。現在のセッションを閉じた場合、イベント キューが破棄され、イベント サブスクリプションが取り消されます。
例 1
C:\PS>$query = New-Object System.Management.WqlEventQuery "__InstanceCreationEvent", (New-Object TimeSpan 0,0,1), "TargetInstance isa 'Win32_Process'" C:\PS> $processWatcher = New-Object System.Management.ManagementEventWatcher $query C:\PS> register-objectEvent -inputObject $processWatcher -eventName "EventArrived" 説明 ----------- この例は、新しいプロセスの開始時に生成されるイベントにサブスクライブします。 このコマンドは ManagementEventWatcher オブジェクトを使用して、EventArrived イベントを取得します。クエリ オブジェクトにより、イベントが Win32_Process クラスのインスタンス作成イベントであることが指定されています。
例 2
C:\PS>$query = New-Object System.Management.WqlEventQuery "__InstanceCreationEvent", (New-Object TimeSpan 0,0,1), "TargetInstance isa 'Win32_Process'" C:\PS> $processWatcher = New-Object System.Management.ManagementEventWatcher $query C:\PS> $action = { New-Event "PowerShell.ProcessCreated" -Sender $sender -EventArguments $SourceEventArgs.NewEvent.TargetInstance } C:\PS> register-objectEvent -inputObject $processWatcher -eventName "EventArrived" -action $action Id Name State HasMoreData Location Command -- ---- ----- ----------- -------- ------- 2 422cfe5a-65e... Running True New-Event "PowerShe... 説明 ----------- この例は、イベントに応えるアクションの指定方法を示しています。アクションを指定した場合、発生するイベントはイベント キューに追加されません。代わりに、アクションがイベントに応答します。 この例では、インスタンス作成イベントが発生して、新しいプロセスが開始されたことが示されると、新しい ProcessCreated イベントが発生します。 アクションは、イベント アクションに対してのみ設定される $Sender および $SourceEventArgs 自動変数を使用します。 Register-ObjectEvent コマンドは、バックグラウンド ジョブとして実行されるアクションを表すジョブ オブジェクトを返します。Get-Job や Receive-Job などの Job コマンドレットを使用して、バックグラウンド ジョブを管理できます。 詳細については、「about_Jobs」を参照してください。
例 3
C:\PS>$s = new-pssession -computername Server01, Server02 C:\PS> invoke-command -session $s -filepath ProcessCreationEvent.ps1 C:\PS> invoke-command -session $s { get-event } # ProcessCreationEvent.ps1 function Enable-ProcessCreationEvent { $query = New-Object System.Management.WqlEventQuery "__InstanceCreationEvent", ` (New-Object TimeSpan 0,0,1), ` "TargetInstance isa 'Win32_Process'" $processWatcher = New-Object System.Management.ManagementEventWatcher $query $identifier = "WMI.ProcessCreated" Register-ObjectEvent -input $processWatcher -eventName "EventArrived" ` -sourceIdentifier $identifier -messageData "Test" -forward } } EnableProcessCreationEvent 説明 ----------- この例は、リモート コンピューターのオブジェクト イベントにサブスクライブする方法を示しています。 最初のコマンドは、2 台のリモート コンピューターに PSSession を作成し、それらを $s 変数に保存します。 2 番目のコマンドは、Invoke-Command コマンドレットの FilePath パラメーターを使用して、$s 内の各 PSSession で ProcessCreationEvent.ps1 スクリプトを実行します。 このスクリプトには、ManagementEventWatcher オブジェクトとその EventArrived イベントを介して Win32_Process オブジェクトのインスタンス作成イベントにサブスクライブする Register-ObjectEvent コマンドが含まれています。
例 4
C:\PS>$timer = New-Object Timers.Timer C:\PS> $timer.Interval = 500 C:\PS> $job = Register-ObjectEvent -inputObject $timer -eventName Elapsed -sourceIdentifier Timer.Random -Action {$random = Get-Random -Min 0 -Max 100} C:\PS> $job.gettype().fullname System.Management.Automation.PSEventJob C:\PS> $job | format-list -property * State : Running Module : __DynamicModule_6b5cbe82-d634-41d1-ae5e-ad7fe8d57fe0 StatusMessage : HasMoreData : True Location : Command : $random = Get-Random -Min 0 -Max 100 JobStateInfo : Running Finished : System.Threading.ManualResetEvent InstanceId : 88944290-133d-4b44-8752-f901bd8012e2 Id : 1 Name : Timer.Random ChildJobs : {} ... C:\PS> $timer.Enabled = $true C:\PS> & $job.module {$random} 60 C:\PS> & $job.module {$random} 47 説明 ----------- この例は、イベントの登録で Action を指定した場合に作成される PSEventJob オブジェクトの動的モジュールを使用する方法を示しています。 最初のコマンドは New-Object コマンドレットを使用してタイマー オブジェクトを作成します。2 番目のコマンドは、タイマーの間隔を 500 (ミリ秒) に設定します。 3 番目のコマンドは、Register-ObjectEvent コマンドレットを使用して、タイマー オブジェクトの Elapsed イベントを登録します。このコマンドには、イベントを処理するアクションが指定されています。タイマーの間隔が経過するたびに、イベントが発生し、このアクションに指定されたコマンドが実行されます。ここでは、Get-Random コマンドレットによって、0 ~ 100 の乱数が生成されて、$random 変数に保存されます。 Register-ObjectEvent コマンドに Action パラメーターを指定すると、そのアクションを表す PSEventJob オブジェクトが返されます。このコマンドは、ジョブ オブジェクトを $job 変数に保存します。 Register-ObjectEvent コマンドレットが返す PSEventJob オブジェクトも、イベント サブスクライバーの Action プロパティで使用できます。詳細については、「Get-EventSubscriber」を参照してください。 4 番目のコマンドは、$job 変数に PSEventJob オブジェクトが格納されていることを示しています。5 番目のコマンドは、Format-List コマンドレットを使用して、PSEventJob オブジェクトのプロパティをすべて一覧表示します。 PSEventJob には Module プロパティが存在し、そのプロパティに、アクションを実装する動的スクリプト モジュールが含まれています。 6 番目のコマンドは、タイマーを有効にします。 残りのコマンドは、呼び出し演算子 (&) を使用し、モジュール内のコマンドを呼び出して、$random 変数の値を表示します。呼び出し演算子を使用すると、エクスポートされないコマンドを含め、モジュール内のコマンドを自由に呼び出すことができます。ここでは、Elapsed イベントの発生時に生成される乱数を表示しています。 モジュールの詳細については、「about_Modules」を参照してください。
関連項目