行、コマンド、または変数にブレークポイントを設定します。
構文
Set-PSBreakpoint -Command <string[]> [[-Script] <string[]>] [-Action <scriptblock>] [<CommonParameters>] Set-PSBreakpoint [-Script] <string[]> [-Line] <Int32[]> [[-Column] <int>] [-Action <scriptblock>] [<CommonParameters>] Set-PSBreakpoint -変数 <string[]> [[-Script] <string[]>] [-Mode {<Read> | <Write> | <ReadWrite>}] [-Action <scriptblock>] [<CommonParameters>]
説明
Set-PSBreakpoint コマンドレットは、スクリプトまたは現在のセッションで実行されている任意のコマンドに、ブレークポイントを設定します。スクリプトを実行する前、コマンドを実行する前、または他のブレークポイントで停止した際のデバッグ中に、Set-PSBreakpoint を使用してブレークポイントを設定できます。
注: Set-PSBreakpoint では、リモート コンピューターにブレークポイントを設定することはできません。リモート コンピューターでスクリプトをデバッグするには、スクリプトをローカル コンピューターにコピーしてからローカルでデバッグします。
各 Set-PSBreakpoint コマンドでは、次の 3 種類のブレークポイントのいずれかが作成されます。
-- 行ブレークポイント: 特定の行および列座標でブレークポイントを設定します。
-- コマンド ブレークポイント: コマンドおよび関数にブレークポイントを設定します。
-- 変数ブレークポイント: 変数にブレークポイントを設定します。
複数の行、複数のコマンド、または単一の Set-PSBreakpoint コマンドの複数の変数にブレークポイントを設定できます。ただし、それぞれの Set-PSBreakpoint コマンドに対して 1 種類のブレークポイントのみを設定できます。
ブレークポイントで Windows PowerShell の実行が一時停止され、デバッガーに制御が渡されます。コマンド プロンプトが "DBG>" に変わり、一連のデバッガー コマンドが使用できるようになります。ただし、Action パラメーターを使用して、ブレークポイントの条件や、ログや診断などの追加タスクを実行する命令など、別の応答を指定することもできます。
Set-PSBreakpoint コマンドレットは、Windows PowerShell スクリプトのデバッグ用に設計された複数のコマンドレットの 1 つです。Windows PowerShell デバッガーの詳細については、「about_Debuggers」を参照してください。
パラメーター
-Action <scriptblock>
停止する代わりに各ブレークポイントで実行されるコマンドを指定します。コマンドを含んでいるスクリプト ブロックを入力します。このパラメーターを使用して条件付きブレークポイントを設定したり、テストやログなどの他のタスクを実行したりできます。
このパラメーターを省略するか、アクションを指定しないと、実行がブレークポイントで停止し、デバッガーが起動します。
Action パラメーターを使用すると、各ブレークポイントで Action スクリプト ブロックが実行されます。スクリプト ブロックに Break キーワードが含まれていなければ、実行が停止されることはありません。スクリプト ブロックに Continue キーワードを使用すると、次のブレークポイントまで実行が再開されます。
詳細については、「about_Script_Blocks」、「about_Break」、および「about_Continue」を参照してください。
必須 |
false |
位置 |
named |
既定値 |
|
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
false |
-Column <int>
スクリプト ファイル内で、実行を停止する列の列番号を指定します。列番号を 1 つだけ入力します。既定値は列 1 です。
ブレークポイントを指定するには、Column の値と Line パラメーターの値を使用します。Line パラメーターが複数行を指定すると、Column パラメーターは指定された各行の指定された列にブレークポイントを設定します。Windows PowerShell は、指定された行および列位置に対象の文字を含んでいるステートメントまたは式の前で実行を停止します。
列は、列番号 1 から始まる (0 ではない) 左上の余白から数えます。スクリプト内に存在しない列を指定すると、エラーは宣言されませんがブレークポイントが実行されません。
必須 |
false |
位置 |
3 |
既定値 |
|
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
false |
-Command <string[]>
コマンドのブレークポイントを設定します。"Get-Process" などのコマンド名、または関数名を入力します。ワイルドカードを使用できます。
各コマンドの各インスタンスが実行される直前に実行が停止されます。コマンドが関数である場合は、関数が呼び出されるたび、また、BEGIN、PROCESS、END の各セクションで、実行が停止されます。
必須 |
true |
位置 |
named |
既定値 |
|
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
true |
-Line <Int32[]>
スクリプトで行のブレークポイントを設定します。1 つまたは複数の行番号をコンマで区切って入力します。Windows PowerShell は、指定された各行で始まるステートメントが実行される直前に停止します。
行は、行番号 1 から始まる (0 ではない) スクリプト ファイルの左上の余白から数えます。空白行を指定すると、次の非空白行の前で実行が停止されます。行が範囲外にあると、ブレークポイントは機能しません。
必須 |
true |
位置 |
2 |
既定値 |
|
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
false |
-Mode <VariableAccessMode>
変数のブレークポイントをトリガーするアクセス モードを定義します。既定値は Write です。
このパラメーターは、Variable パラメーターがコマンドで使用されている場合にのみ有効です。モードは、コマンドに設定されているすべてのブレークポイントに適用されます。
有効な値は次のとおりです。
-- Write: 新しい値が変数に書き込まれる直前に実行が停止します。
-- Read: 変数が読み取られる際、つまり、割り当て、表示、または使用のいずれかの目的で変数の値がアクセスされたときに実行が停止します。Read モードでは、変数の値が変更されても実行は停止しません。
-- ReadWrite: 変数の読み取りまたは書き込みの際に実行が停止します。
必須 |
false |
位置 |
named |
既定値 |
|
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
false |
-Script <string[]>
指定したそれぞれのスクリプト ファイルにブレークポイントを設定します。1 つ以上のスクリプト ファイルのパスとファイル名を入力します。ファイルが現在のディレクトリにある場合は、パスを省略できます。ワイルドカードを使用できます。
既定では、変数のブレークポイントとコマンドのブレークポイントは、現在のセッションで実行されているコマンドに設定されます。このパラメーターは、行ブレークポイントを設定する場合にのみ必須です。
必須 |
false |
位置 |
1 |
既定値 |
|
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
true |
-変数 <string[]>
変数のブレークポイントを設定します。ドル記号 ($) を付けずに変数のコンマ区切り一覧を入力します。
Mode パラメーターを使用して、ブレークポイントをトリガーするアクセス モードを定義します。既定の Write モードでは、新しい値が変数に書き込まれる直前に実行が停止します。
必須 |
true |
位置 |
named |
既定値 |
|
パイプライン入力を許可する |
false |
ワイルドカード文字を許可する |
false |
<CommonParameters>
このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: -Verbose、-Debug、-ErrorAction、-ErrorVariable、-OutBuffer、および -OutVariable。Ô”¼š¤Ë¤Ä¤¤¤Æ¤Ï¡¢次を参照してください: about_Commonparameters.
入力と出力
入力値の型は、コマンドレットへのパイプが可能なオブジェクトの型です。戻り値の型は、コマンドレットによって返されるオブジェクトの型です。
入力 |
なし パイプを使用して入力を Set-PSBreakpoint に渡すことはできません。 |
出力 |
ブレークポイント オブジェクト (System.Management.Automation.LineBreakpoint、System.Management.Automation.VariableBreakpoint、System.Management.Automation.CommandBreakpoint) Set-PSBreakpoint は、設定した各ブレークポイントを表すオブジェクトを返します。 |
注
Set-PSBreakpoint では、リモート コンピューターにブレークポイントを設定することはできません。リモート コンピューターでスクリプトをデバッグするには、スクリプトをローカル コンピューターにコピーしてからローカルでデバッグします。
複数の行、コマンド、または変数にブレークポイントを設定すると、Set-PSBreakpoint はエントリごとにブレークポイント オブジェクトを生成します。
コマンド プロンプトで関数または変数にブレークポイントを設定する場合は、関数または変数の作成前でも作成後でもブレークポイントを設定できます。
例 1
C:\PS>set-psbreakpoint -script sample.ps1 -line 5 Column : 0 Line : 5 Action : Enabled : True HitCount : 0 Id : 0 Script : C:\ps-test\sample.ps1 ScriptName : C:\ps-test\sample.ps1 説明 ----------- このコマンドは、Sample.ps1 スクリプト内の行 5 にブレークポイントを設定します。結果として、スクリプトを実行すると、行 5 が実行される直前に実行が停止されます。 行番号によって新しいブレークポイントを設定すると、Set-PSBreakpoint コマンドレットは、次のサンプル出力に示されているようにブレークポイント ID およびヒット カウントが含まれる行ブレークポイント オブジェクト (System.Management.Automation.LineBreakpoint) を生成します。
例 2
C:\PS>set-psbreakpoint -command Increment -script sample.ps1 Command : Increment Action : Enabled : True HitCount : 0 Id : 1 Script : C:\ps-test\sample.ps1 ScriptName : C:\ps-test\sample.ps1 説明 ----------- このコマンドは、Sample.ps1 コマンドレットの Increment 関数にコマンド ブレークポイントを作成します。スクリプトは、指定された関数を呼び出す直前に実行を停止します。 この結果がコマンド ブレークポイント オブジェクトになります。スクリプトの実行前、HitCount プロパティの値は 0 です。
例 3
C:\PS>set-psbreakpoint -script sample.ps1 -variable Server -Mode ReadWrite 説明 ----------- このコマンドは、Sample.ps1 スクリプト内の Server 変数にブレークポイントを設定します。ReadWrite 値と共に Mode パラメーターを使用して、変数値が読み取られたときや変数値が変更される直前に実行を停止します。
例 4
C:\PS>set-psbreakpoint -script Sample.ps1 -command "write*" 説明 ----------- このコマンドは、"write-host" などの "write" で始まる Sample.ps1 スクリプト内のすべてのコマンドにブレークポイントを設定します。
例 5
C:\PS>set-psbreakpoint -script test.ps1 -command DiskTest ` -action { (if $disk -gt 2) { break } } 説明 ----------- このコマンドは、$disk 変数の値が 2 よりも大きい場合にのみ、Test.ps1 スクリプト内の DiskTest 関数で実行を停止します。 このコマンドは、Set-PSBreakpoint コマンドレットを使用して DiskTest 関数にコマンド ブレークポイントを設定します。アクションの値は、関数で $disk 変数の値をテストするスクリプト ブロックになります。 このアクションでは、条件が満たされたときに Break キーワードを使用して実行が停止されます。代わりに使用できるのは (および既定値は) CONTINUE です。
例 6
C:\PS>set-psbreakpoint -command checkpoint-computer Id : 0 Command : checkpoint-computer Enabled : True HitCount : 0 Action : C:\PS> function CheckLog { >> get-eventlog -log Application | >> where {($_.source -like "TestApp") -and ($_.Message -like "*failed*")} >>} >> C:\PS> Checklog DEBUG: Hit breakpoint(s) DEBUG: Function breakpoint on 'prompt:Checklog' C:\PS>>> 説明 ----------- このコマンドは、CheckLog 関数にブレークポイントを設定します。このコマンドはスクリプトを指定しないため、現在のセッションで実行されているものにブレークポイントが設定されます。デバッガーは、関数の宣言時ではなく呼び出し時に割り込みます。
例 7
C:\PS>set-psbreakpoint -script sample.ps1 -line 1, 14, 19 -column 2 -action {&(log.ps1)} Column : 2 Line : 1 Action : Enabled : True HitCount : 0 Id : 6 Script : C:\ps-test\sample.ps1 ScriptName : C:\ps-test\sample.ps1 Column : 2 Line : 14 Action : Enabled : True HitCount : 0 Id : 7 Script : C:\ps-test\sample.ps1 ScriptName : C:\ps-test\sample.ps1 Column : 2 Line : 19 Action : Enabled : True HitCount : 0 Id : 8 Script : C:\ps-test\sample.ps1 ScriptName : C:\ps-test\sample.ps1 説明 ----------- このコマンドは、Sample.ps1 スクリプトに 3 つの行ブレークポイントを設定します。スクリプトで指定された各行で、列 2 に 1 つのブレークポイントを設定します。Action パラメーターで指定されたアクションは、すべてのブレークポイントに適用されます。
関連項目