通常、コマンドライン シェルには、長いファイル名やコマンド名を自動的に補完するためのしくみが用意されています。これにより、ユーザーはコマンドをすばやく入力したり、操作上の手掛かりを得ることができます。Windows PowerShell では、Tab キーを押すことにより、ファイル名やコマンドレット名を補完できます。

注意事項:

タブ展開は、TabExpansion という内部関数によって制御されます。この関数は変更または上書きを行うことができるため、ここでは、Windows PowerShell の既定の構成を前提に、動作の説明を進めます。

ファイル名やパスを自動的に補完するには、その名前の一部を入力し、Tab キーを押します。Windows PowerShell によって名前が自動的に検索され、最初に一致した名前が選択肢として表示 (展開) されます。Tab キーを繰り返し押すと、利用可能なすべての選択肢が順に表示されます。

コマンドレット名のタブ展開は、若干異なります。コマンドレット名に対してタブ展開を使用するには、名前の最初の部分 (動詞) の全体を入力し、続けてハイフンを入力します。名前については一部分を入力するだけでかまいません。たとえば、「get-co」と入力して Tab キーを押すと、入力した値は Get-Command コマンドレットとして自動的に展開されます (大文字と小文字は標準的な形式に合わせて変更されます)。もう一度 Tab キーを押すと、一致する別のコマンドレット名 (Get-Content) に置き換わります。

タブ展開は、同じ行で繰り返し使用できます。たとえば、Get-Content というコマンドレット名に対してタブ展開を使用するには、次のように入力します。

PS> Get-Con<Tab>

Tab キーを押すと、コマンドが次のように展開されます。

PS> Get-Content

Active Setup ログ ファイルのパスの一部分を指定し、もう一度 Tab キーを押すと、次のように展開されます。

PS> Get-Content c:\windows\acts<Tab>

Tab キーを押すと、コマンドが次のように展開されます。

PS> Get-Content C:\windows\actsetup.log
注意事項:

タブ展開には 1 つ制限があります。タブが常に単語の入力補完として解釈されるという点です。コマンド例をコピーして Windows PowerShell コンソールに貼り付ける場合は、タブが含まれていないことを確認してください。タブが含まれていると、予期しない結果が生じます。




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